【ツイステ】茨の谷の王子様 (ページ35)

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Episode.35 ページ35

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愛しいAへ

シルバーからの手紙だと思ったか？

それは残念。僕だ、マレウスだ。

シルバーの名を借りて手紙を出した事は謝る。

今、手紙を丸めて捨てようとしただろ？
頼むから最後まで読んでくれ。

新しい学期が始まってしばらく経つが、
Aは元気にしているか？
体調を崩したりしてないか？

僕は凄く元気だ。
リリアやシルバーもぴんぴんしているぞ。

そうそう、
シルバーが僕とリリアの所属している
ディアソムニア寮に配属されたぞ。

入学式でシルバーが我が寮に選ばれた時、
リリアが珍しく号泣していて、とても面白かった笑
(リリアに「笑」というものの使い方を教わった。
使い方はこれで合っているのだろうか？)

シルバーがいると、
茨の谷で皆で過ごした日々を思い出して、
少し寂しくなる。ほーむしっく、というやつか？
よく分からないが。

僕らがほりでーで茨の谷に帰った時は、
また僕の部屋でお茶会を開こう。

Aと早く会いたい。

この手紙を読んだら返事をくれ。
どんな内容でも構わないから、
Aの近況を教えてくれないか？

ナイトレイブンカレッジの住所は
手紙の最後に書いてある。そこに送ってくれ。

お返事待ってます。

マレウス・ドラコニア

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『…マレウス様ったら(ﾎﾞｿｯ)』

その時、部屋をノックする音が聞こえた。

ガチャ

ヴェ「手紙読んでたの？」

『うん』

ヴェ「誰からだったの？」

『マレウス様からよ。差出人はシルバーくんだけど』

ヴェ「あら笑本当に彼はAのこと大好きね」

ヴェ「ちゃんと返信してあげなさいよ？」

『…分かってる』

『そう言えばお父様は？今日も泊まり？』

ヴェ「今日は帰ってくるそうよ。
夕食も家で食べるみたい」

『ホントに！？嬉しい！』

ヴェ「夕食作るの手伝ってくれる？」

『もちろん！』

私はマレウス様の手紙を机の上に置いて、
お母様と一緒に台所へ向かった。