Episode.33 ページ33
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季節は秋。
ミドルスクールで過ごす最後の一年が始まった。
シルバーくんは、
マレウス様とリリアさんが通う
ナイトレイブンカレッジに入学した。
シルバーくんが茨の谷を発つ日、
セベクは何故か号泣していた。
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−二週間前−
<茨の魔女の城 正面玄関>
『セベク、どうしたの?』
セ「グスッ…目にゴミが入っただけだ!!!(涙声)」
『本当はシルバーくんと離れるのが嫌なんだよね〜』
『お兄ちゃんのように慕っていたもんね〜』
セ「なっ!?そ、そんなわけないだろ!!!!!」
シ「俺はセベクのことを弟のように
可愛がってきたつもりだぞ?」
シ「"ちょっと"うるさいのがアレだが…」
セ「アレとはなんだ!人をモノ扱いするな!!!
僕にはセベク・ジグボルトという名がある!」
セ「シルバー!お前に1つ忠告しておく!
若様とリリア様に何かあったら飛んでいくからな!」
セ「来年、僕がナイトレイブンカレッジに入るまで
お2人のことをしっかりとお守りするんだぞ!!!」
シ「はいはい」
シ「お前はその声の大きさをどうにかしような」
セ「うるさいぞ!シルバー!!!!!」
『セベク』
セ「…っ」
『シルバーくん、いってらっしゃい』
シ「あぁ、行ってくる。
Aも体調には気をつけて」
『ありがとう、シルバーくん』
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セ「A!またそこにいたのか!
屋根の上に座るなと何度言えば分かるんだ!」
『だって好きなんだもん、ここ』
ミドルスクールは山の斜面の上に建てられており、
私とセベクのいる西の塔が校舎全体の中で
1番高い場所に位置する。
ここから見る街の景色はとても美しい。
特に夕方の時間帯は最高に綺麗。
『それより私に何か用?』
セ「先生がお前のことを探していたぞ!」
『あ〜…約束したのすっかり忘れてた』
私は屋根からセベクのいるバルコニーに飛び降りた。
『呼びに来てくれてありがとう、セベク』
セ「…ふん!」
私はセベクと別れ、生徒指導室に向かった。
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作者名:ひとみ | 作成日時:2020年6月18日 9時