【ツイステ】茨の谷の王子様 (ページ11)

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Episode.11 ページ11

【アンドリューside】

6年前の寒い冬の日。

私は女王陛下に頼まれて、
とある遺跡の調査をしていた。

その遺跡は、茨の谷の外れにあった。

調査を進めていくと、
遺跡はグレート・セブンの1人であり、
茨の谷の建国者である茨の魔女が、
儀式のために使っていた神殿であることが分かった。

調査を始めてから半年が経ったある日－。

私は神殿の最深部で黒い布で覆われた、
"あるもの"を発見した。

当時、その調査には、
ヴェラとヴィンセントも同行していた。

ヴィ「ずっと地下で眠っていたのか？これは」

すると、黒い布が風も吹いていないのに
突然宙へ舞い上がった。

黒い布で覆われていたものは、大きな鏡だった。

ヴェ「なに、これ…」

すると、いきなり鏡が光りだした。
目を開けていられないほどの眩しさだ…。

しばらくして光が消えると、
鏡の前には、布で巻かれた赤子を抱く白髪の女性が
立っていた。その女性はとても美しかった。

ア「あの…貴女は？」

？「ここは、何処ですか？」

その女性はとても焦っている様子だった。

ア「ここは"茨の谷"という場所です」

？「良かった、知らない土地だわ(ﾎﾞｿｯ)」

？「時間が無いので一方的に話させて下さい」

？「私は"北の大地"を治めている女王です。
今、"北の大地"という国そのものが
滅びようとしています。私は女王として、
国の最期を見届けなければなりません。
この子は私の娘です。名前はA。
まだ生まれて1週間です。そこでお願いなのですが、
この子を私の代わりに育てて欲しいのです」

その場にいた全員が黙り込んでしまった。

"北の大地"は、
"世界で最も強く恐ろしい魔法士"と呼ばれていた
"雪の女王"が治めている都市国家である。

その歴史は古く、グレート・セブンのいた時代よりも
ずっと前から存在していたとされている。

しかし、"北の大地"は他国との貿易を
一切行っていなかったため、国の存在そのものが
謎とされていた。

謎を解き明かすために調査団が結成されて、
何度も"北の大地"を目指したが、
調査に行った者で帰ってきた人は1人もいなかった。

いつしか"北の大地"は伝説の土地と
呼ばれるようになった。

そして、今、伝説の土地と呼ばれた国の女王が、
突然目の前に現れて、国が滅んでしまうから、
せめて自分の娘だけでも助けて欲しいと
我々に言ってきているのだ。

私は状況を理解するのに精一杯だった。