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壬氏さまってヒロインよりヒロインしててかわいい
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ありがたく麺麭をいただいて、猫猫に手を振ってから部屋を出ようと後ろを振り向くと、
「思った以上のものを作ってくれてありがとう」
と、猫猫の髪を掬い上げ首に顔を寄せる壬氏と固まる猫猫がいた。その隙に麺麭をつまんで隠している。猫猫が振り返ると片手を振りながら部屋を出ていくところだった。せこいやつめ。お願いすれば貰えるものを。
「おい、行くぞ」
『あぁ、はいはい』
隣で立ち止まった壬氏がそう言うので、私も猫猫に手を振って部屋を出た。
「……あの二人って、そういう関係なのか？」
麺麭がふたつ減った皿を眺める。
まあ、せいぜい楽しんでほしいものだ。
ෆෆෆ
麺麭を手に持ちながら、壬氏と話していた。
『この麺麭、どんな味なのかしら』
「…甘いんじゃないか？媚i薬だし」
食べてみるか、そう言った壬氏にぎょっとして隣を見るともう手遅れだった。
『何してんの？なんかしたら殴るけど』
「苦甘いな」
『……そう』
考えるのをやめた。まあ、そこまで即効性のあるものでは無さそうだし、第一壬氏が私を押し倒す光景は考えられない。最悪女だと思われていない可能性もある。なので、
『ん、ほんとだ。苦甘い』
私も食べた。頭がおかしいのでは？と言われても反論できない。
それにしても、きつい酒を一気に飲んだ時のような高揚感がある。確かに、これを麺麭に浸さずにそのまま食べればかなりの効果があるな。夜をながーく満喫できそうだ。
しばらく無言で歩いていたが、どうも頭がくらくらする。心なしか体も熱い。一齧りだけだが、絶大な効果だ。正直舐めていた。恐るべし猫猫……
『なんかくらくらする、どう？そっち』
返事がない。無視？壬氏の顔を見る。
(ひっ……)
口を手で覆い隠しているのに息遣いが聞こえるほど息は荒く、頬どころか耳まで赤くなっている。彼がさっきまで手に持っていたはずの食べかけの麺麭はもうなかった。かなりまずい。
『だ、大丈夫…デス？』
「…すまん、いくらでも殴っていいから、」
『…っ』
反射で出た手はさっきまで口を覆っていた手に掴まれ、反対の手は私の腰に回りぎゅっと寄せられた。人ふたりぶん空いていた距離はゼロになる。貪るように唇に吸いつかれ、驚きで体が固まった。
意識が唇に集中する中、頭の片隅で今夜は星が良く見えそうだ、と他人事のようにぼんやり考えた。
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arashi1999(プロフ) - はじめまして！こちらのお話し大好きです！更新停止になってますが更新されるのを楽しみに待ってます！ (3月20日 18時) (
レス) @page18 id: 842b15c736 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます💘最近自分の書きたいものが何か分からなくなってきて全く書けてないんですがそういって貰えるとほんとに有難いです😭これから頑張ります！！！ (1月28日 23時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - コメント失礼します！！他の方とコメント被りしますが、本当に求めてましたこういうお話！！違う立場から壬氏さまに愛される感じめちゃくちゃ好きです(大声)是非とも更新楽しみにしています！！！！ (1月28日 21時) (レス) id: 6d3f108665 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - mちゃさん» コメントありがとうございます💘夢主がこういう立ち位置なの結構珍しいですよね！私も自信もって書いているので嬉しいです🥰 (1月13日 9時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - こういうの求めてました！！ (1月13日 1時) (レス) @page11 id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めあ | 作成日時：2023年12月31日 15時
