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『ふーっ……疲れたあーっ…』
何とか商談も終わった。とりあえず結構いい条件で譲って貰えたので良し。伸びをするとぽきぽきっと骨の音が鳴る。音に少し苦笑しながら猫猫のいると思われる翡翠宮の台所へと向かった。
『失礼しまー……え』
目に映ったのは侍女三人が抱き合うように眠る姿。しかも胸元ははだけ、裳は太腿までめくれている。思わず事後という言葉が頭に過ぎった。
「とりあえず、寝かせましょうか」
誰が言ったのか分からないが、その言葉で皆が動き出した。
『何でしょうかね、これ』
「そうよね……あ、猫猫。これが、例の薬なの?」
「いえ、こちらの方です」
猫猫は……果実か?何かしらを包んだものを玉葉妃に差し出した。親指の爪程度の粒が並んでいる。
「じゃあ、こっちは何だ?」
「私の夜食です」
???意味が分からない。皆異物を見るような目になっている。
「酒や刺激物に慣れていると効き目はそこまでではないのです」
「では、私が食べても問題ないのかな」
『そうなの?それなら私も食べてみたい』
「「それはお辞め下さい!!」」
紅娘と高順の声が重なる。麺麭をつまんでいた壬氏は冗談だよ、と皿に置き、物欲しそうに見つめていたAはしょんぼりした顔になった。
確かに、皇帝の寵妃である玉葉妃の前で口にするのは不遜ではあるが、天女の美貌を持つ二人が頬を染めながら迫ってくるとすれば誰しも理性が消し飛ぶだろう。しかも一方は女だ。途中で効果が切れてしまえば男相手に抵抗など出来る訳がない。
「今度、帝のために作ってもらおうかしら」
「いつもの強壮剤の三倍は効き目があるかと」
「…持続のほうかしら」
かすかに聞こえた持続のほうかしら、は聞かなかったことにしておく。
猫猫は蓋のついた容器に媚i薬を移し替え、壬氏に渡した。
「効き目が強いので、一粒ずつを目安にお願いします。食べ過ぎると血が回って鼻血が出ると思いますので。また、意中の相手と二人きりのときに使ってください」
注意事項を終えると壬氏は立ち上がった。
高順と紅娘も帰り支度の用意をするため部屋を出る。
玉葉妃も籠で眠る公主を抱き抱え部屋をあとにした。
私は立ち止まって、最大限に甘くした声で話しかける。
『ねえ、猫猫……食べちゃ駄目かしら』
「まあ、周りに人がいなければ自己責任で…」
『ふふ、やった』
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変なとこで切れちゃいましたお話続きます🥲
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arashi1999(プロフ) - はじめまして!こちらのお話し大好きです!更新停止になってますが更新されるのを楽しみに待ってます! (3月20日 18時) (レス) @page18 id: 842b15c736 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます💘最近自分の書きたいものが何か分からなくなってきて全く書けてないんですがそういって貰えるとほんとに有難いです😭これから頑張ります!!! (1月28日 23時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - コメント失礼します!!他の方とコメント被りしますが、本当に求めてましたこういうお話!!違う立場から壬氏さまに愛される感じめちゃくちゃ好きです(大声)是非とも更新楽しみにしています!!!! (1月28日 21時) (レス) id: 6d3f108665 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - mちゃさん» コメントありがとうございます💘夢主がこういう立ち位置なの結構珍しいですよね!私も自信もって書いているので嬉しいです🥰 (1月13日 9時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - こういうの求めてました!! (1月13日 1時) (レス) @page11 id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めあ | 作成日時:2023年12月31日 15時