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猫猫が梨花妃を見るにあたって最初に始めたのが食生活の改善だ。
現在毒のおしろいが壬氏によって後宮内で使用不可になっている。卸した業者があればひどく罰するよう徹底したらしく、今後手に入れることは不可能だ。
ならば体内の毒を排出することが先決。
『ここの侍女が運んでくる食事はね…』
流石お偉いさんと言えよう。Aは有能だった。以前に見回りをした際に侍女が運んでいた食事を覚えていたらしい。白粥が盛ってあるものの、魚の素揚げのあんかけに、豚の角煮、紅白饅頭、ふかひれや蟹といった豪華な料理だ。栄養はあるが病人が食べるには無理がある。
実際に目にした猫猫はよだれが出るのを抑えつつ料理人にやり直しを命じる。肝心の料理人はAに夢中で聞いているのか分からないが、とりあえず手は動いていたのでいいだろう。
勅命ということもありそれなりの権限が猫猫にあった。だがAの方が権限はあるらしい。もう作ってあった料理を『余ってるのなら、ひと口くれない?』と言って貰っていた。猫猫の毒味を通して。料理人はAに骨抜きなのでもちろん即答だ。食事は普通に美味しかった。
後れ毛を耳にかけ角煮を食べやすい大きさに割って食べる姿は、ただ食べているだけなのに金が取れそうだった。
作ってもらった粥、茶、果物。
残念なことにそれらは先ほどに全て床にぶちまけられた。食べ物を粗末にするのはありえない。お嬢様は大したことないのだろうか。いかにもなAを見ると、悲しそうだった。そうでもないみたいだ。
水晶宮の侍女たちにとっては勅命よりも玉葉妃に仕える醜女が気に入らないのだろう。逆に美しすぎる女官も気に入らないらしい。
侍女がAの言っていた通りの食事を持ってくる。粥を嚥下させるが、梨花妃は噎せ込む。
「あなたみたいな下賎な者がいるせいで空気が悪いからよ!」
と、部屋を追い出されてしまった。少し遅れて自分から戸を開けて出てきたAは大丈夫?と起き上がらせてくれた。
「あのままじゃあ、衰弱死は確実です」
『…そうね。今久しぶりに梨花さまのお顔を見たのだけれど、あんなにやせ細ってしまっていたなんて__何してるの?』
「自分の首が飛ぶまでの日にちを数えようと」
猫猫は部屋の前の壁に寄りかかって指折り数えている。それにつられAも猫猫の隣に立って指を折る回数を数えていた。
その時だった。周りから嬌声が聞こえたのは。
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arashi1999(プロフ) - はじめまして!こちらのお話し大好きです!更新停止になってますが更新されるのを楽しみに待ってます! (3月20日 18時) (レス) @page18 id: 842b15c736 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます💘最近自分の書きたいものが何か分からなくなってきて全く書けてないんですがそういって貰えるとほんとに有難いです😭これから頑張ります!!! (1月28日 23時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - コメント失礼します!!他の方とコメント被りしますが、本当に求めてましたこういうお話!!違う立場から壬氏さまに愛される感じめちゃくちゃ好きです(大声)是非とも更新楽しみにしています!!!! (1月28日 21時) (レス) id: 6d3f108665 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - mちゃさん» コメントありがとうございます💘夢主がこういう立ち位置なの結構珍しいですよね!私も自信もって書いているので嬉しいです🥰 (1月13日 9時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - こういうの求めてました!! (1月13日 1時) (レス) @page11 id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めあ | 作成日時:2023年12月31日 15時