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❤︎ ページ13

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「…なあ、目を瞑ってくれないか」

『…?はい』


言われた通りに目を瞑る。手も出せ、と言われたのでそうする。お手をしてくれるのかと淡い期待をしていると冷たい何かが手の上に置かれた。


「もういいぞ」

『これって』


きらきらと輝く緑色の石がふたつ。柘榴石を削って作られる宝石だった。普通柘榴石は赤紫なのだが、これは緑色だった。それを耳飾りに加工してある。


『綺麗…』

「だろう、昔に作って貰ったんだが付ける機会がなくてな」


髪色に合わないし、どうせならAに使ってもらいたい。そう言って笑う阿多さま。すき。だいすき。視界が歪む。


『う、ぁー……すきです』

「はは、泣くなよ」


絹の手拭で涙を拭かれる。伝えたいことはいっぱいあるのに、言葉が詰まって。


「こうしてAと話せるのも、最後かもしれないしな」


耳に入っていたのか。そりゃあそうだよな。最近の阿多さまについての噂はほとんどこの事だった。私はまだ信じていない。まだまだ話し足りない。


『死んでも会いに行きます、ぜったい』

「死んだら元も子もないだろう」



ෆ‪‪ෆ‪‪ෆ‪‪


「それじゃあ、今日はありがとう」

『付き合っていただけて嬉しいです…こちらこそありがとうございます』


頭を下げてお見送りすると、名前を呼ばれた。


『はい』

「壬氏のこと、末永くよろしく頼むよ」


まるで死ぬまで面倒を見ないといけないような言い方をされる。ちょっと嫌だ。


『…そんなこと言われちゃったら私、あいつが結婚するまでお嫁さん行けないじゃないですか』

「それならAが壬氏と籍を入れればいい」

『いや、……んーと』


いきなりの発言にびっくりする。流石に婚姻はないだろう。大体身分が天と地じゃないか。私をどこかの名家出身だと勘違いしている気がする。


『……子供が産めるぎりぎりまでお互い独り身で、どこ探しても壬氏よりましなのいない!ってなったら、考えてあげてもいいかもしれません』

「そうか、あいつに伝えておくよ」

『伝えなくていいです』




手を振って阿多さまを見送って、歩き出す。


『やっぱり、お母さんなんだなあ』



ーーーー

柘榴宮にお住まいだからって柘榴石の耳飾りって安直すぎましたかね、ちなみに柘榴石=ガーネットらしいです。初知り。

ෆ‪‪→←‪‪❤︎‬【散歩】



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arashi1999(プロフ) - はじめまして!こちらのお話し大好きです!更新停止になってますが更新されるのを楽しみに待ってます! (3月20日 18時) (レス) @page18 id: 842b15c736 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます💘最近自分の書きたいものが何か分からなくなってきて全く書けてないんですがそういって貰えるとほんとに有難いです😭これから頑張ります!!! (1月28日 23時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!!他の方とコメント被りしますが、本当に求めてましたこういうお話!!違う立場から壬氏さまに愛される感じめちゃくちゃ好きです(大声)是非とも更新楽しみにしています!!!! (1月28日 21時) (レス) id: 6d3f108665 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - mちゃさん» コメントありがとうございます💘夢主がこういう立ち位置なの結構珍しいですよね!私も自信もって書いているので嬉しいです🥰 (1月13日 9時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - こういうの求めてました!! (1月13日 1時) (レス) @page11 id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあ | 作成日時:2023年12月31日 15時

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