9-5 ページ40
「やっぱり、ここにいた」
獪岳がいたのは桃の木の上だった。
まだ季節では無いので実は付いていないが、この場所は獪岳のお気に入りだと言う事を知っている。
「何しに来た。テメェはあのクソと仲良くしてればいいだろ」
このツンツン具合。最初の頃の獪岳を思い出して何だか懐かしいな。
でもあの時とは違う。
「獪岳。引っ張って」
木に登ろうと手を伸ばす俺を、舌打ちしながらも引き上げてくれた。
最初の頃からしたら随分優しくなった。
獪岳の隣に座るとお互い黙ったままだ。
獪岳といる時にはよく無言で過ごすことが多かったが、別に嫌な沈黙ではなかった。
だが今日は違ったらしく、何か言いたそうな獪岳。彼の中の言葉が固まるまで黙って待っていると、漸く獪岳の口が開いた。
「Aは…」
「うん」
「俺とあのクズどっちが大事なんだ?」
「うん?」
何だか想像していた内容と違うぞ。
俺はてっきり壱ノ型が使えない事に対する不安から善逸に当たっているのかと…。
まぁ俺は相変わらず全ての型が使えないんですけどね!
おっと話が逸れた。
つまり、獪岳が怒っていたのは俺と善逸の仲が良いから?
やきもちって事?
何それ可愛い(真顔)
「…人の話聞いてんのかよ」
「聞いてる!聞いてるよ。獪岳と善逸どっちが好きかって話でしょ?」
「すっ…!何でもいいから答えろ!」
今更恥ずかしくなったのか、顔を赤らめる獪岳。このままでは爆発してしまう、早く答えなければ。
「うーん」
早く。
「えーと…」
答えなければ。
「むぅ…」
無理だ!!
「どっちも同じくらい好きだよ。獪岳は優劣を付けたいのかもしれないけど、俺にとっては同じくらい大切な存在なんだ。どちらかなんて決められないよ」
_
592人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
河岸エマ(プロフ) - 爽雫さん» うわあぁ私も大好きです!設定を上手く活かせてない気もしますが頑張ります!!モチベめっちゃ上がりました!ありがとうございます!! (2020年2月24日 14時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
爽雫 - 童磨の息子なんて神設定じゃないですか!?凄い続き楽しみです。更新頑張って下さい!応援しています!!だいすきです(*>∀<*) (2020年2月24日 14時) (レス) id: c8b0ff9423 (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - お虫さん» ありがとうございます!近々更新すると思うのでまたよろしくお願いします! (2020年2月23日 23時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
お虫 - 好きです!次の更新楽しみに待ってます! (2020年2月23日 7時) (レス) id: 2f9884d86e (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - アンちゃんさん» マジですか?!それは嬉しいです!pixivでもこちらでもよろしくお願いします!! (2020年2月15日 21時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:河岸エマ | 作成日時:2020年2月15日 16時