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しのぶさんとお茶を飲みながら2時間程経っただろうか、窓の外に1羽の烏が止まった。
(これが鎹鴉かぁ、おしゃべり出来るのすごいよね。オウムみたい)
「あら、お館様からのお返事が届いたみたいね」
そう言って立ち上がったしのぶさんが窓を開けると、鎹鴉は窓の縁に立ちカァーと鳴き声を上げた。
「鬼ト人ノコ、鬼ニ狙ワレル可能性アリ!育手ノ下デ修行シ鬼殺隊ニ入ルベシ!」
マジかー…
処刑せよ!とかじゃなくてよかったけど、まさかの鬼殺隊コース。
拒否権はありますか?と聞いたらにっこり笑顔のしのぶさん。アッハイ、ないんですね。
俺の平穏な日常はどこに行ったんだ。
しのぶさんはお館様からの返答を予想していたらしく、頑張って強くなってね!とエールを送ってくれた。(可愛い)
「Aくんの居た町の近くに、元柱の育手が居るらしいから、多分その方の下で修行する事になると思うわ」
「…分かりました」
「……姉さんの命の恩人を戦いの世界に巻き込んでごめんなさい。もし、本当に嫌なら私からもう一度お館様に伝えてみるわ」
「いえ、大丈夫です。戦力になるか分からないけど、頑張ります」
申し訳なさそうにするしのぶさん。
本当は彼女からしたら、まだ幼い子供を戦わせるのに抵抗があるのだろう。
俺としても正直平穏に生きたかった。
でも前世の記憶が戻りこの力を認識した時や、カナエさんを助けて童磨と対面した時に、こうなる事は少し予想していた。
強くなれば、鬼のせいで起こる悲劇を少しでも減らせるかもしれない。
俺のイレギュラーな存在や力は誰かを助けるために神様が与えたのかもしれない。
そう考えて拳をギュッと握ると、しのぶさんに優しく抱きしめられた。
「Aくんのおかげで、私は家族を2度失わずに済んだわ。貴方が私達の仲間になってくれるならとても心強く思う。何かあったら今度は私がAくんを助けるから遠慮なくいってね」
暖かい温度は母さんを思い出して、少し泣きそうになった。
そっか…俺、人を守れたのか。
母さんの事は守れなかったけど、そんな俺でも人を守り助ける事は出来るのか。
…なら、いいや。
俺、頑張るよ。
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河岸エマ(プロフ) - 爽雫さん» うわあぁ私も大好きです!設定を上手く活かせてない気もしますが頑張ります!!モチベめっちゃ上がりました!ありがとうございます!! (2020年2月24日 14時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
爽雫 - 童磨の息子なんて神設定じゃないですか!?凄い続き楽しみです。更新頑張って下さい!応援しています!!だいすきです(*>∀<*) (2020年2月24日 14時) (レス) id: c8b0ff9423 (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - お虫さん» ありがとうございます!近々更新すると思うのでまたよろしくお願いします! (2020年2月23日 23時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
お虫 - 好きです!次の更新楽しみに待ってます! (2020年2月23日 7時) (レス) id: 2f9884d86e (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - アンちゃんさん» マジですか?!それは嬉しいです!pixivでもこちらでもよろしくお願いします!! (2020年2月15日 21時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:河岸エマ | 作成日時:2020年2月15日 16時