検索窓
今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:429,471 hit

10.5-1 ページ48

最終選別前



「Aはさ、何で鬼殺隊になろうと思ったわけ?」


ある日善逸と2人で日課である素振りをしていると、思い出したかのように尋ねられた。
そっか、善逸は俺の父親や力の事を知らないんだった。
別れた時には、別の奉公先へ行くと説明された筈だから。

俺が平安時代から戻ってきた時には既に善逸は弟子入りしていて、そこからはお互い修行が忙しくてあまり話が出来なかった。
俺の異能についてはいつかは必ず知られる事になるから、別に話す事に抵抗はない。
ただ、父親については正直言いたくないと思っている。だって、もし父親が鬼と知った善逸に拒絶されたら…。


「言いたくないなら言わなくていいよ」

「え、でも…」

「だってAから悲しい音がする。俺、無神経だったよね。ホントごめん」


そう言えば、善逸には音で感情が筒抜けだった。
鬼殺隊に入る理由の大半は、大切な人を鬼に殺されたというのが多い。
確かに俺も母さんを鬼に殺されてはいるが、鬼殺隊を目指すのはそれが理由ではない。

申し訳なさそうに眉を下げる善逸。
違うんだ。訳を話さないのは善逸に嫌われるのが怖いからなんだよ。
善逸から拒絶されて嫌われたら、俺…。


「俺、どんな理由でもAの事嫌いになったりしないから!」

「!!…善逸には、隠し事出来ないよね」


善逸のその一言で、少し心が軽くなった。
そして話した。
父親の事。異能の事。

父親が鬼だと言った時はとても驚いてたし、氷の力を説明して実際に見せた時は逆に感嘆の声が上がった。



「確かにAの父親が鬼だって聞いて驚いたけど、それで俺の中のAが変わる事はないよ!それに氷の力だって、凄いとは思うけど気味悪がったりしない。俺の耳が良すぎるって知った時、Aは気味悪いって思った?」

「思う訳ない!」

「でしょ?俺にとってAは優しくて、一等可愛い俺の大事な人だから。どんな事があってもそれは変わらないよ!」

「ぜ、善逸っ…。うん、ありがとう!大好き善逸!!」

「フヘヘッ、俺も大好き!」



こうしてお師匠さまに叱られるまで、久しぶりに善逸との会話を楽しんだ。




_

10.5-2→←10-6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (209 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
592人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

河岸エマ(プロフ) - 爽雫さん» うわあぁ私も大好きです!設定を上手く活かせてない気もしますが頑張ります!!モチベめっちゃ上がりました!ありがとうございます!! (2020年2月24日 14時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
爽雫 - 童磨の息子なんて神設定じゃないですか!?凄い続き楽しみです。更新頑張って下さい!応援しています!!だいすきです(*>∀<*) (2020年2月24日 14時) (レス) id: c8b0ff9423 (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - お虫さん» ありがとうございます!近々更新すると思うのでまたよろしくお願いします! (2020年2月23日 23時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
お虫 - 好きです!次の更新楽しみに待ってます! (2020年2月23日 7時) (レス) id: 2f9884d86e (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - アンちゃんさん» マジですか?!それは嬉しいです!pixivでもこちらでもよろしくお願いします!! (2020年2月15日 21時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:河岸エマ | 作成日時:2020年2月15日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。