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気がつくと、炎柱である煉獄杏寿郎にお姫様抱っこされていた。
これって、どういう状況?
半年程平安時代で過ごした俺は、ある夜突然元の時代に帰る事が出来た…らしい。
無惨くんいっぱい泣いてたな。
俺も泣いちゃったけど。
ぼーっとする頭で最後の別れを思い出す。
俺が消える直前の絶望したような表情。
あんな顔をさせたいわけじゃあなかった。
もしも俺がずっとあの時代に残れば、未来は何か変わっていたのかな。…なんて考えても無駄な事だとは分かっているのだけど。
話を戻して、とりあえず今の状況を把握したい。
血鬼術を受けた時の様な痛みがなかったのはありがたかった。
視界が暗くなった瞬間ふわりと体が浮く感覚と共に、目の前には煉獄さんのドアップ顔。
お姫様抱っこをされていると気付いた時でも、時空を越えた脱力感からか逃げる事なく大人しくされるがままな俺。
「ふむ!君がAで間違い無いか?」
「はい…」
「ならば良かった!鬼を倒した瞬間空から君が降ってきた時には少し驚いたが」
なる程、体が浮く感覚ではなく、実際に浮いていたんだね。
やだ、俺「親方!空から女の子が!!」をリアル体験しちゃったんだ。…男の子だし、飛行石は持ってません。
「こりゃあド派手な顔のガキだな」
アホな事を考えながら未だお姫様抱っこされている俺を覗き込んできたのは、自称祭りの神である宇髄天元。
プニプニと頬を突いてくる宇髄さんに、やめてください…と力なく言うことしか出来ない俺。
誰かこの状況なんとかして下さい。
「Aっ!!」
そんな俺を助けてくれたのは獪岳だった。
久しぶりに見るその姿は少しやつれているようで、きっと心配をかけてしまったんだろうと申し訳なくなった。
思わず手を伸ばすと、そのまま煉獄さんから引き離し抱きしめてくれる獪岳。
抱きしめた獪岳の体は小さく震えていた。
「仲が良いのは良い事だな!」
そんな明るい煉獄さんの声を聞きながら、俺は意識を手放した。
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河岸エマ(プロフ) - 爽雫さん» うわあぁ私も大好きです!設定を上手く活かせてない気もしますが頑張ります!!モチベめっちゃ上がりました!ありがとうございます!! (2020年2月24日 14時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
爽雫 - 童磨の息子なんて神設定じゃないですか!?凄い続き楽しみです。更新頑張って下さい!応援しています!!だいすきです(*>∀<*) (2020年2月24日 14時) (レス) id: c8b0ff9423 (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - お虫さん» ありがとうございます!近々更新すると思うのでまたよろしくお願いします! (2020年2月23日 23時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
お虫 - 好きです!次の更新楽しみに待ってます! (2020年2月23日 7時) (レス) id: 2f9884d86e (このIDを非表示/違反報告)
河岸エマ(プロフ) - アンちゃんさん» マジですか?!それは嬉しいです!pixivでもこちらでもよろしくお願いします!! (2020年2月15日 21時) (レス) id: b2cd8ae7ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:河岸エマ | 作成日時:2020年2月15日 16時