【歌い手】獣人世界【男主】 (ページ14)

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あれから一週間近く経ち、くろもこの家に慣れてきた頃

いや、くろに至ってはすぐに慣れていた

あの泣いた日こそ一人称が私だったが、そらる達と話している時に一人称がわしになっていた

女の子でわし...？と思ったが気にすることを放棄した

人それぞれって言うしな...

ちなみにくろはうらたと同じ8つだそうだ

まふまふとさかたにとても懐かれていて姉的な存在なんだなと思った

そして、くろには黒いパーカーとうらたと同じ裾を捲るズボンを渡した、とても喜んでいた

「くろちゃんくろちゃん！きょうなにしてあそぶ！？」

「ぼくはかくれんぼしたい！」

「ほんじゃかくれんぼしよー！そらるんとうらたんもな！」

「「げっ...。」」

あまり遊びに参加しないそらるとうらたにも効果的面だ

俺はそれを眺めるのが好きだったりする

「...A、最近王都の方で事件が発生してるらしい。」

『...殺人か？』

俺と一緒にソファに座っていた天月がボソッと呟く

Souは普段食事の時以外は部屋に篭っているため、1階に来ることはほとんどない

俺の家は二階建てで、1階に俺とそらる達の部屋、2階には天月とSouの部屋になっている

「そ。金目当ての犯行らしい。加害者は人間で、しかも子供。ここの子達で言うとそらるくん位。」

『俄然興味が湧いてきた。』

「Aならそう言うと思った。その子、ここら付近を住処にしてるって噂だよ。行く？」

『勿論。』

「あまちゅー！！いっしょにかくれんぼしよーや！」

さかたがトテトテと走ってくる

あまちゅというのはさかたが天月に付けた渾名だ

「ごめんなーさかたん。俺、ちょっと用事できちゃって...。」

「えー！Aは？」

『すまん、俺も。代わりに2階にいるSouが遊び相手してくれっから行ってこい。』

「わかった！まふくんもいこ！」

「うん！」

そう言ってさかたとまふまふはSouを呼びに行った

少しの間だ、相手しててくれよSou

「ね、A。おれもいっちゃだめ？」

名乗り出たのはそらる

『危ないからな...。やめておいた方が』

「おれあそぶのあきたんだもん。」

ねーねー、と服をグイグイ引っ張るそらる

このままではまふまふ達が降りてきて騒ぐだろう

『今回だけな。』

「やった。」

仕方なく、連れていくことにした

...仕方なく