【MHA】狼少年とヒーロー【男主】 (ページ5)

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ヒーロー基礎学が始まる午後の時間。狼藉は相澤からコスチュームを受け取っていた。
事前にデザインしていたものを学校に送っていたため、完成していたのである。

「はえー、ほんとにまんまじゃん。」

狼藉の考えたデザイン。自分の個性は身体強化で通っているため、個性発動時に出る耳と尻尾を隠さなければいけない。
なのでまずは尻尾が出ないために羽織袴を着用。これで尻尾の膨らみも気になることはない。色は羽織が赤で袴が白とシンプルな色合いになっている。腰には木刀を携えている。
肝心の耳を隠すためには、白のヘアバンドのような、ハチマキのような布で耳が立たないように押さえている。

「さすがヒーローの名門校。仕事早いっすわ。」

何故自己紹介の時とこんなにもテンションが違うのか。それは誰でも思うことだろう。狼藉は、クラスメイト達の前では完全に自分を偽っているのだ。なぜその必要があるのか。それは彼が生粋のクズだからである。

「将来の夢がオールマイトみたいなヒーローとか、趣味が人助けとか、嘘っぱちに決まってんじゃん。みんな騙されててバッカみてぇ。」

狼藉は、ヒーローになってたくさんの人を助けたい訳では無い。寧ろ人助けなど今まででしたことはない。なら何故ここにいるのか。
何故入れたのか。それは

「おい狼藉ー！一緒に着替え行こうぜー！」

「あ、切島！今行く！」

狼藉Aが嘘で塗り固められているからである。