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「……すごいね」
実緒の言葉にAはうん、と返した。
「あれだけ激しいダンスなのに完璧に揃ってる。それだけでも大変なのに声も全然ブレない」
なにより、とAは続けた。
「…すごく、楽しそう。見てるこっちまで楽しくなる。完全にTRIGGERの空気だ」
「……これは、IDOLISH7大変だね」
実緒が苦笑した。
「ほんとにね。この空気を変えること自体至難の技だよ」
Aも実緒に同意した。
TRIGGERのパフォーマンスはすぐに終わった。
それは時間的なことではなく、体感的に。
目を離せないステージ。天の言う通り、夢中になってしまった。
TRIGGERと入れ違いでIDOLISH7がステージに立つ。
Aは帰って来たTRIGGERに目を向けた。
「おかえり、天」
「ただいま」
天はどうだった?とは聞かなかった。自分たちが最高のパフォーマンスをしたと、胸を張って思えたから。
「……夢中になったよ。すごく」
Aの言葉に天はクスクスと笑った。
「今度はAの番だ」
「うん。……私ね、今ここに立ててるのは天のおかげだよ。天がいなかったら、こんなに高いところに立てなかった」
だから、ありがとう。
Aのその言葉に天は照れたように視線を逸らした。
「……そんなの、ボクも同じだよ。Aに沢山助けられた」
「あはは、珍しく照れてる。……見ててね。天が私にしたように、Dólceしか…私しか見れないようにしてあげる」
「…うん。わかった」
2人はそう言って顔を見合わせて笑った。
プロポーズか、とそれを見ていた実緒と楽は内心で毒づいた。
「IDOLISH7は、なんか応援したくなる魅力があるよね」
「…ボク、さっき言ったこと失敗した?」
Aの言葉に、天は先程の自分しか見れないようにしてあげる、という言葉通りに行かなかったかと問いた。
「なんで言えば良いのかな、TRIGGERのパフォーマンスは勿論完璧で、惹きつけられるものがあったけど、IDOLISH7はまた別の感じ。TRIGGERは魅せる、って感じなんだけど、IDOLISH7は巻き込む、みたいな」
Aのその言葉に実緒は同意した。
「それわかるかも。頑張れって言いたくなるんだよね」
2人の会話に、天は共感した。IDOLISH7は敵ながら応援したくなるような魅力を持っているのだ。
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高沢 - ドーナツさん» それと、流行りのウイルスや、風邪などにお気をつけて、どうかご健康に過ごしてください、、応援しております。 (2020年5月1日 22時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - ドーナツさん» はい...!全然大丈夫でございます!むしろリクエストに応えていただいてありがたい限りです、、!本当にありがとうございます! はい!ご無理なさらず、ドーナツ様のペースで更新頑張ってください! (2020年5月1日 22時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» 嬉しいお言葉ばかり本当にありがとうございます!これからも更新頑張るので、読んで頂けると幸いです。 (2020年5月1日 17時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» 初めまして!コメントとリクエストありがとうございます!!リクエストの件、喜んで書かせて頂きたいと思います!しかし、今考えているシナリオ上、一部が完結しないと書けそうにないので、それ以降でも大丈夫でしょうか……?勿論、絶対に書かせて頂きます……! (2020年5月1日 17時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - はじめまして、いつも作品楽しみにしております。どきどきして凄く面白いです!突然ですがリクエストをしてもよろしいでしょうか、、もし宜しければ天と夢主の2人の目線からの【独占欲】が見てみたいです。これからも応援しています (2020年5月1日 15時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月30日 15時