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美咲は実緒からその隣で未だに伏せているAに視線を移した。
「…この子寝てるの？」
「そうみたいですね」
実緒の返事にすぐさま美咲はAの頭を弱くペチペチと叩き、起こした。
躊躇なくその行動をする美咲に実緒は戸惑う。
「…ん、んー……」
「ほら、起きなさい？どうせまた曲作りに明け暮れていたんでしょうけど」
寝ぼけたような声を出す彼女と美咲の会話に、この2人は初対面ではないのかと実緒は悟る。
「………だって、新しいエフェクター届いたから」
「はいはい」
漸くまともに聞こえたAの声に実緒は高揚する。彼女からあの曲が生まれているのだと。
顔を上げたA。自然と視線は実緒の方へ行く。
Aと目があった瞬間、実緒は息を飲んだ。
日焼けも肌荒れも知らなさそうな真っ白な肌、海のように吸い込まれそうなほど青く透明な大きな瞳。それを際立たせるような長く多い睫毛。魅了されてしまうような色っぽさがあり、憂いを帯びた表情は彼女の奥にあるものに興味を持たせるような効果を担っていた。
「美咲さん、どなた？」
「はぁ…この前の話聞いてたの？もう1人のメンバーよ」
ああ、とAは納得したように頷く。
「く……億宮Aです。よろしくお願いします」
自己紹介を始めたAに、実緒も慌てて答える。
「兆野実緒です！よろしくお願いします！」
「かたっくるしいわね…仲間なんだから敬語を外して名前で呼び合えば？」
美咲の提案にAはそれもそうだね、と返す。
「じゃあ、実緒って呼ぶね」
「うん！A」
そんな会話を交わした時、Aが自身のスマホを見て呟いた。
「…あれ、着信入ってる」
実緒はそこに表示された"九条さん"の文字をなんとなく見つめた。
「ごめんね、ちょっとかけ直してくるね」
そう言ってAは席を立った。
カラン、と音を立てて店の外に出るA。完全に扉が閉じると、実緒は興奮した様子で思わず声を上げた。
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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» ありがとうございます〜！こちらはかなり不定期更新となってしまうと思いますが、本編共々よろしくお願い致します！ (2020年5月30日 6時) (
レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - 番外編…！ありがとうございます！！楽しみにしています！！ (2020年5月29日 23時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2020年5月28日 21時
