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「同業者には全然笑わないんでしょ？テレビの前でだけ媚びないで欲しい…」
「顔は可愛いけど、私は実緒ちゃんの方が好きだなあ」
「………」
今度は、三月がAの顔を覗き込んだ。
しかし、Aはなんとも思ってないような表情で、止めていた足を前に進め始めた。
その予想外のAの反応に三月は戸惑う。
「…気にすることじゃないよ。確かに私は、表情が豊かな方じゃないし、最近恋愛ものも増えた。そう思われるのも仕方ない」
そう言いつつも、Aの横顔は三月の目にはなんだか切なく映った。
彼女は不器用なだけで、媚びているわけではないことを三月は理解していた。だからこそ、歯痒かった。
「…三月も、三月は自分の仕事を全うしてるだけだから、気にしない方がいい」
ファンの意見は取り入れた方がいいのは事実だけど、そればっかりじゃ疲れちゃう。
Aはそう言ったけれど、先ほどの女子高校生の会話は三月の心に深く突き刺さっていた。
☆☆☆
あれから微妙な空気のまま三月と解散したA。次の仕事も終わり、相変わらず薄暗い夜道を歩いていた。
なるべく大通りを歩いて帰ったとしても、少なからずこういう道を通らなくてはならないのは不安だ。
Aは周囲に意識を向けながらいつもより駆け足で歩いた。
この時間はまだ天も帰っていないだろう。家に駆け込んだとしてもそこで捕まってしまえば元も子もない。
一定の距離を保たれている足音に耳を澄ましながら、ひとまず光の多い方へ出ようと方向を変えた時、突然速まった背後の足音にAはまずい、と駆け出した。
後ろを振り返ると、背はそれほど高くない、痩せ型の中年男性がこちらに走って来ているのがわかる。
とにかく、必死に走る。
幸い、大通りまではそれほど遠くないので、スニーカーを履いてきた自分に感謝をしながらそちらに全力で走った。
50メートル、30メートル、と大通りへの距離と後ろの男性との距離を測り、大通りまでが約15メートルになった時、後ろから手を引かれ、背中から地面に倒れる衝撃を感じた。
「Aちゃん……、っは、やっと、追いついた……」
走ったせいか、荒い息で呟く男性。Aは血の気が引いていくのを感じる。
「ずっと、君を、探していたんだよ…」
男性の手がAに伸ばされる。
Aは、思わず目蓋を強く閉じた。
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なのは(プロフ) - 更新しないですか？楽しみです！(>_<) (2022年7月22日 16時) (
レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
さけとば(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました！天と夢主ちゃんがどう変化していくのか楽しみです(*´ω｀*)更新頑張ってください！ (2021年10月9日 15時) (レス) @page22 id: 9eb36d9080 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しいです！ (2021年9月23日 1時) (レス) id: 60efdb9fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - moekaさん» 更新が遅れてしまい申し訳ないです…！ちまちまとですが書き進めていきたいと思っているので、これからも宜しくお願い致します！ (2021年8月16日 21時) (レス) id: e3d0035b98 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年4月10日 17時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2020年6月18日 18時
