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「"ねえ、こっち向いてよ"」
「"………嫌"」
目線を合わせようと彼女の顔を覗き込むがすぐに逸らされる。そういう演技なのだけれど、彼女も実際に目を合わせたくないのだろう。視線が泳ぎ、落ち着きがない。
その事実に少なからず傷つく。
(ちゃんと集中して)
彼女にだけ聞こえるように囁く。
監督やスタッフさんは気付いていないが、これだけ近くにいたら彼女が集中していないことくらいすぐわかる。
何故そんなに落ち着きがないのか。
見当もつかないけれど、今はこの撮影をより良いものにすることが優先だ。
(…ボクだけ見てて)
そのボクの言葉に彼女が戸惑ったのがわかる。この言葉に他意はない。単純に、ボクだけを見て欲しかった。
「"好きだよ"」
「"…っ、私は嫌い"」
彼女のよく晴れた日の空のような、あるいは夏の海のような目がボクを捉えたのがわかった。
「"…嫌いだよ。私以外の女の子に優しくするところも、私にばっかり意地悪するところも、私の気持ちを知っててそんな態度を取るところも"」
彼女は一旦目を伏せた。そして、もう一度ボクを見上げた。
「"…全部、嫌い"」
思わず、彼女を抱きしめた。それが台本に書いてあったシナリオだと気付いたのは行動に移してからのことだった。
「"…じゃあ、それを治したら好きになってくれるの？"」
ボクも集中出来ていないかもしれない。
演技のことより、彼女のことを考えてしまっているから。
Aは首を横に振った。
「"…だって、もう好きだから"」
Aに顔を近づける。そして、影が重なった。
目は閉じなかった。それはAも同じだった。視線がぶつかる。
この気持ちを悟られそうな気がして、目を閉じて欲しいなと思ったけれど、このままでも良いような気がした。
カットがかかって顔を離す。このままの状況でいたらダメな気がした。
監督から、本当に恋をしているようだと絶賛される。内心、この気持ちがバレるのではないかと焦った。
恋をしているよう、なんじゃない。実際にしてしまっているのだ。
お礼を告げると同時に、先程の彼女の瞳がフラッシュバックして顔に熱が集まった気がした。
(…キス、しそうになった…………)
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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» わー！！！ありがとうございます…！本当に悩んでいたのでありがたいです…！いつでもいくらでもリクエストお待ちしています〜！！本当にありがとうございます！！ (2020年6月11日 1時) (
レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - またリクエスト失礼してもよろしいでしょうか...？ 赤面 と いつもと違う髪型 をお願いしたいです、、ふたつも無理言ってすみません(汗) (2020年6月11日 1時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 夢巫女さん» わー！いつもありがとうございます！！迷走中ですが、これからも読んで下さると嬉しいです！！更新頑張ります！ (2020年6月4日 10時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - こういう作品を待っていたっ！！最初の方から読んでいましたが、感謝を伝えたくて我慢できませんでした！これからも更新楽しみに待ってます！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: a86d07998f (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - ぽんさん» わあ…！ありがとうございます！！凄く嬉しいです！更新マイペースですがこれからもよろしくお願いします〜！！ (2020年5月26日 18時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2020年5月5日 23時
