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32-6 ページ47

「元々着てた服はあるんでしょう?これ、貸してあげるから元の服に着替えてきて」

「それ、天が帰る時寒くない?」

「いいから」

天はそう言って押し切る。Aはその行動の意味がよく分からなかったが、天に背中を押されリビングを出る。

どうすればいいか分からず、とりあえずAは自分の服が置いてあるナギの部屋へ足を進めた。


☆☆☆

陸とすれ違い、少し会話を交わした後にナギの部屋へ戻ったA。

陸もそうだったのだが、何故みんな自分の格好を二度見するのかAは疑問に思った。


「壮五、服ありがとうね。このままじゃ流石に帰れないから着替えるよ」

服、洗って返すねと言うAに、そのままでも大丈夫だと言う壮五。しかし、流石にそれは申し訳なさすぎるとAは断った。

「今度お礼させて」

「お、恐れ多いです……」

そんな会話を交わした後、荷物と服を手にAはお手洗いを借りて着替えようとしたのだが、空いていなかったため、壮五が誰もいない自室を使っていいと言ってくれたのでそこで着替え、もう一度リビングに戻る。

しかし、先程の空気とは一転、リビングは暗い雰囲気だった。


「…何があったの?」

「なにも」

天は無表情で返すが、陸の瞳は悲しげに伏せられている。喧嘩でもしたのだろうか。

その時、再びドアが開いた。

「ごめん、ごめん!ついトイレで眠っちゃったよ。おかげで酔いが覚め……」

ドアから顔を出した龍之介が固まる。

彼の言葉に、だからトイレが空いていなかったのかとAは納得した。

「…どうして、みんな揃ってるんだ!?ここはカラオケじゃないのか!?」

彼の様子に、随分と酔っていたんだなとAは苦笑した。


「…A、着替えた?」

「見ての通り」

くるりと目の前で回転するAを見て頷いた天は帰るよ、とAの腕を引く。

「えっ」

「……天、なにかあったのか……?大丈夫か……?様子が……」

龍之介の質問に天は何も、とさらりと返す。
実際に、何でもなさそうな表情をしていた。

そのままAの腕を引き玄関へ歩き出す天。Aはされるがままに天の後ろをついて行った。


楽と三月の会話を背に、Aたちは寮を出た。

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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» わー!!!ありがとうございます…!本当に悩んでいたのでありがたいです…!いつでもいくらでもリクエストお待ちしています〜!!本当にありがとうございます!! (2020年6月11日 1時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - またリクエスト失礼してもよろしいでしょうか...? 赤面 と いつもと違う髪型 をお願いしたいです、、ふたつも無理言ってすみません(汗) (2020年6月11日 1時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 夢巫女さん» わー!いつもありがとうございます!!迷走中ですが、これからも読んで下さると嬉しいです!!更新頑張ります! (2020年6月4日 10時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - こういう作品を待っていたっ!!最初の方から読んでいましたが、感謝を伝えたくて我慢できませんでした!これからも更新楽しみに待ってます! (2020年6月3日 22時) (レス) id: a86d07998f (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - ぽんさん» わあ…!ありがとうございます!!凄く嬉しいです!更新マイペースですがこれからもよろしくお願いします〜!! (2020年5月26日 18時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年5月5日 23時

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