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『好きだったよ。凄く。でも、君は僕を見ていないでしょう?』

『なに、冗談?やめてよ』

『僕の言葉を勝手に冗談にしないで。わかってもらえないなら…』



「ただいま」

天は帰ってきてリビングのドアを開いた瞬間目を見開いた。

「ちょっと、何勝手に人が出てるドラマ見てるの」

「見たらダメなの?」

Aが見ていたのは天が今年の頭に出ていたドラマ。天は温厚なヴァイオリニスト役だった。

天はAからリモコンを奪ってテレビを消した。

「だめ」

「なんで?」

「ボクの勝手でしょ」

Aは天からリモコンを取り返してもう一度テレビをつける。

「なんでそんなに見たいの」

「私の勝手でしょ?」

勝ち誇ったような笑みを浮かべるAに天はため息をついた。

「……あるの」

「なにが?」

「…………」


黙り込む天の顔を覗き込むA。
何をそんなに嫌がるのかがわからなかった。


「…キスシーン。このすぐ後に」

「あー……」

Aは理解した。確かに、家族に自分の出ているドラマのキスシーンを見られるのは抵抗がある。

その気持ちはわかるから、Aは大人しくテレビを消した。

「いいの?見たかったんじゃないの」

「なに、見て欲しいの?」

そう言うAに天はもう一度ため息をついた。

「本物がここにいるのに、ドラマ見る必要あった?」

「あれは九条天じゃなくて、ドラマの中の天才ヴァイオリニストでしょ?」

「じゃあ、本物を見せてあげる」

そう言ってAに向き直る天は、テレビの中の彼のように真剣な表情だった。

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設定タグ:アイナナ , IDOLISH7 , 九条天   
作品ジャンル:恋愛
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ドーナツ(プロフ) - わあ…!ありがとうございます〜!!お友達さんとは仲良くなれそうです…!笑 嬉しいお言葉ばかり、本当にありがとうございます…!こちらこそありがとうございました! (2020年6月7日 12時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
via - 私の友達がアイナナ大好きなんですよ!しかも、推しが同じだったはず…言葉での表現の仕方が凄く上手くて、簡単に小説の光景が思い浮かびました。凄く面白かったので友達にもオススメしてみようと思います!イベントに参加して頂きありがとうございました! (2020年6月7日 9時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月1日 0時

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