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「ああいう話題はファンを不安にさせるってわかってるよね。もうちょっと先のことを想像してから発言してくれない?それに、午後も何回か集中力が切れてたでしょう。真面目にやらないならもうこの仕事やめれば」
「はい…すみませんでした…。Dólceの兆野実緒として活動したいのでこれからもよろしくオネガイシマス…」
「A、そろそろやめてあげたら?」
空港からの車の中。今日の収録について、実緒はAのお説教を受けていた。
「美咲さんは実緒に甘いの」
「だってお説教を始めてからそろそろ2時間経つのよ?」
「そうだね、"まだ"2時間しか経ってないよね」
まだ、を強調して言うAに美咲は苦笑いする。
「Aの良さは真面目で、自分にも他人にも厳しいところではあるけど、そこまでだと疲れちゃうわよ?」
「私、疲れてるように見える?」
「たまにね」
「…そうだね、そういう風に見えてるのなら気をつけなきゃ」
「話聞いてたのかしら」
疲れを溜めないように、ではなく疲れているように見えないように、努力しようとするAに美咲はため息をついた。
因みに、実緒は反省タイムなのか単純にAが怖いのか、2人の会話を黙って聞いている。
「Aはもっと自分に甘くしなさい?幸せそうにしていた方がファンも喜ぶわ」
「私は仕事をしている時が幸せなの」
根っからの完璧主義で真面目人間のAにとって、仕事やレッスンは苦ではなかった。美咲もそれを知っているだけに、うまくAを休ませる方法をいまだに知らない。
「ほんと、恋人の1人や2人出来れば変わるのかしらねえ」
「…もしできるとすれば、ファンにそれを望まれた時か、生まれ変わって人間以外の生き物になった時かな」
「なんで人間以外なの?」
"だって来世も人間だったら、きっと私はアイドルになるから"
その答えに美咲はAらしいとまた苦笑いを零した。
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ドーナツ(プロフ) - わあ…!ありがとうございます〜!!お友達さんとは仲良くなれそうです…!笑 嬉しいお言葉ばかり、本当にありがとうございます…!こちらこそありがとうございました! (2020年6月7日 12時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
via - 私の友達がアイナナ大好きなんですよ!しかも、推しが同じだったはず…言葉での表現の仕方が凄く上手くて、簡単に小説の光景が思い浮かびました。凄く面白かったので友達にもオススメしてみようと思います!イベントに参加して頂きありがとうございました! (2020年6月7日 9時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月1日 0時