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「天、入るよ」
天の部屋をコンコンと2回ほどノックしてドアを開けるA。
躊躇なくドアを開けるその様子にやはり2人は親しい関係なのだと紡は改めて悟った。仮にも異性のスーパーアイドルの部屋のドアをこんなにも簡単に開けることが出来るのは彼女くらいだろうとも思った。
「なーに、A。今取り込んでるんだけど?」
「IDOLISH7いる?紡にラビチャが来たらしいんだけど」
玄関に出てきた天に事情を説明したAは部屋の奥を覗き込んだ。
「マネージャー…助けてくれ…。」
「ワタシのHPはもうゼロです……オーバーキルです……」
「足が…っててててて!」
「………。」
「………これは…」
「………お説教、2時間コース…」
変わり果てた4人の姿に戸惑う紡と、随分と既視感のある光景に目を見開くA。
無理もない。Aもこのコースの経験者…寧ろ、世界で一番体験回数が多いかもしれない人物だ。
「ちょうど良かった。あれ、回収して行ってくれない?終わったのに中々戻らないから邪魔だったんだ」
「誰のせいで帰れないと思ってんだ…!」
「何?まだ足りない?こうなったのはキミたち自身の意識不足のせいでしょう」
「なんもいえねえ…」
やはり既視感のあるやり取りにAは戸惑った。
「九条のやつ、手加減って言葉を知らねえんだよ…!」
「ルームサービス取ってあげたでしょう」
「ご馳走様でした!!!!」
リズムの良い大和と天の会話に、実は君たち仲が良いでしょうとAは心の中で呟いた。
「…足が痺れた時は圧迫すると良いよ。血流が悪化してるのが原因だから」
Aの助言をいち早く試した一織とナギ。痺れが取れたのか立ち上がった2人は一刻も早くこの場から去ろうと三月と大和を引きずった。
「し、失礼しました………」
結局どうすることもできなかった紡は4人と共に玄関に向かう。
「あ、Aは残って」
「え」
Aも遅れて着いていくと天に引き止められた。
自身がファンのアイドル2人のやり取りに紡は興味を抱きつつ、もう一度挨拶をして部屋を出て行く。
「紡、またね」
Aのその言葉に紡は心底喜んだ。
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ドーナツ(プロフ) - わあ…!ありがとうございます〜!!お友達さんとは仲良くなれそうです…!笑 嬉しいお言葉ばかり、本当にありがとうございます…!こちらこそありがとうございました! (2020年6月7日 12時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
via - 私の友達がアイナナ大好きなんですよ!しかも、推しが同じだったはず…言葉での表現の仕方が凄く上手くて、簡単に小説の光景が思い浮かびました。凄く面白かったので友達にもオススメしてみようと思います!イベントに参加して頂きありがとうございました! (2020年6月7日 9時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月1日 0時