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「あら、随分顔色良くなったわね」
「なんか元気になったね!」
例のお説教2時間コースを受けた日から数日。
朝、美咲と実緒にそう言われたA。
天に怒られてから睡眠時間ちゃんと確保してるからかとAは天に感謝をした。
「そんなに顔色悪かったですか?」
「ん〜…悪いって程では無かったけど、あんまり良くは無かったかな。元々肌も白いから余計に。貴女、身体も元々強くない上に無理し過ぎることあるからちょっと心配。程々にね」
「そうそう!A見ててひやひやする!」
そうか、心配かけちゃってたのか。
ファンにも、同じ気持ちにしちゃってたなら、天の言う通りだったのかもしれない。
Aは早めの段階に指摘されてよかったと思った。
「今日の最初の仕事はToday's Dólceの収録ね。その後別行動で実緒は雑誌の撮影と取材、湊はバラエティの収録。私は湊の方に着いて行くわ。実緒、一人で大丈夫?」
「子供じゃないから大丈夫です〜!」
そう言って拗ねたように頬を膨らませる実緒に自分より2つ上なのに大分子供っぽいと思ったAだった。
Today's DólceというのはDólceの冠番組だ。基本的にAと実緒がテーマに沿って話したり、何か企画にチャレンジする、というオーソドックスな番組だ。番組毎の最後にはグループ名『Dólce』に因んでAと実緒が交代交代でおススメのデザートを紹介している。
(Dolce=イタリア語でデザート)
グループ名のDólceの由来は違うところから来てるのだけれど。
書きかけの楽譜を見つめながら楽屋でスタンバイしているA。そんなAの手元を実緒は覗いて口を開いた。
「ああ、新曲?夏っぽい曲にするんだっけ?」
「うん。思い切り明るい曲にしたくて。メロディーはなんとなく出来てるんだけどコードがあんまり合わなくて」
「今度海とか行ってみる?」
「あ、もうすぐ海に行くロケあったからそこで一緒に考えてくれる?」
「うんうん!勿論だよっ!」
その実緒の眩しい笑顔はAにはできないもので、Aは少しの羨望と憧れを抱いた。
「あ、あとミュージックフェスタは去年と同じで出演でいいんでしょう?」
美咲の言葉にAと実緒は強く頷いた。
「よし…じゃあスケジュールはこのままで…」
小さく呟く美咲に、確認を取る前に受けていたのか不安になるAと実緒。
もし断ったらどうなるのだろうかとAは心の片隅で思った。
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ドーナツ(プロフ) - わあ…!ありがとうございます〜!!お友達さんとは仲良くなれそうです…!笑 嬉しいお言葉ばかり、本当にありがとうございます…!こちらこそありがとうございました! (2020年6月7日 12時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
via - 私の友達がアイナナ大好きなんですよ!しかも、推しが同じだったはず…言葉での表現の仕方が凄く上手くて、簡単に小説の光景が思い浮かびました。凄く面白かったので友達にもオススメしてみようと思います!イベントに参加して頂きありがとうございました! (2020年6月7日 9時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月1日 0時