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「…シオン先輩が話せないから。
離して」
何が嬉しくてこんなこと言わなきゃなんないんだろ。
言わせるんじゃないよ、馬鹿野郎。
『……』
複雑そうな顔をして、そっと離された手。
本当は掴んでてほしかったなんて。
勝手な女心は口に出せない。
「じゃあ…」
パタン…と扉を閉めた瞬間衝動的に目の奥が熱くなる。
シオン先輩がしげの近くに行くようになってからはもう、好きでいるのも辛い。
それでも、辞めようかと何度思ったって感情はコントロール出来なかった。
「ふぅー…」
大丈夫、あいつの前で泣かなきゃいい。
裏で泣いて見せなきゃいい。
小「…Aさん?どうしたんすか?」
辛いとき、駆け寄ってきてくれるのはいつも君だね。
「望、」
小「何ですか?」
「後ろ……乗せて」
小「…分かりましたっ!」
走りに行って。
全部全部飛ばすぐらいの勢いで走ってたら、きっと涙も飛ぶはず。
わざとニコニコ笑ってあたしを引っ張る望がとても大きく見えた。
ヘルメットを止めてくれるのも、わざわざ抱き上げて後ろに乗せてくれるのも。
普段全くしないことなのに。
度が過ぎる優しさと気遣いが、余計に心を痛くさせる。
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カジャリア(プロフ) - さなさん» あーりがとん。こういう訳だったのよ笑 (2017年11月4日 20時) (レス) id: 7a9558f5e1 (このIDを非表示/違反報告)
さな - シオンのことはそういうことだったのね!!なるほ〜! 完結おめでとう!! (2017年11月4日 20時) (レス) id: 0059834432 (このIDを非表示/違反報告)
カジャリア(プロフ) - ルルモさん» こちらこそ!ありがとうございました^^* (2017年11月3日 13時) (レス) id: 7a9558f5e1 (このIDを非表示/違反報告)
ルルモ - 面白かったです!!ありがとうございました。 (2017年11月3日 12時) (レス) id: 8263d4388d (このIDを非表示/違反報告)
カジャリア(プロフ) - ゆんゆんさん» 疑問を残させてしまったようですみません。確かに書いていませんでしたね…後でそのことについてアナザーストーリーをかかせていただきます! (2017年11月3日 12時) (レス) id: 7a9558f5e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カジャリア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734
作成日時:2017年10月21日 16時