七不思議の犯人、コイツです。

02.トイレの花子さん ページ2

〆．



トイレに来た。



まあ、トイレなんだから用を足してとっとと出ていきたいんだけれど。



「トイレの花子さん！トイレの花子さん！！」



「………小瀧くん、君、男子じゃなかったっけ」



「花子さんっす」



「身長180オーバーの女の子ってレアだよね」



「………望くんっす」



「太郎さんでもないのか」



トイレの3番目の個室から覗いてくる彼は、



「ちょっと、アレ言うてください」とおねだり。



まあ、花子さんを騙るくらいなのだから



「………花子さん、花子さん、あーそびーましょー」



いや、知らん。



花子さんを呼び出したことないから知らん。



個室に入って3回回るとか聞いたことあるし、



どれが正規ルートなのか。



「はーい」



「それは違うってわかる」



「なんで！？」



「花子さんを呼んで、そんな軽快な男子の声が聞こえてきたら間違えてるって思うわ」



「くぅ……」



泣いてる。



「あのね、とりあえず出よう？花子さんは女子トイレの七不思議だけど、君はここにいるべきじゃないから。



………トイレ済ませたらお喋りしよ」



「！！待ってます！！」



嬉しそうにトイレを出ていった。



その直後に女子数名が入ってきたので多分見られてる。



「ねえ、さっきの男子……だよね」



「こわ、変態？」



ほら。



別の意味で恐れられるよ。



「……………いやいやいや、女子トイレのド真ん前で待つかな？普通」



「待ち遠しくて」



「変態と喋ってるって思われちゃうんだけど」



「変態……？」



本当にわかってないのか。



「やれやれ。ほら、行こ」



「はいっ！」



こんなテンションの高い花子さんがいてたまるか。



「トイレまで押しかけて良かったぁ」



「………………ノーコメント」



〆．

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