依頼だよ依頼 (ページ44)

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ねーさんページ44

敵を見てみると一人のようで

私よりも背が高く
白い猫のような耳と2本尻尾が生えている

プロヒーロー以外は個性の発動は原則禁止
体術だけで敵を捕まえなければならない

「あーあ置いていかれちゃったね

でも大丈夫僕がいるから
あんなやつより僕のほうがいいよ」

すると私も反応できない速さで

私は路地裏へと連れ込まれ
壁へ押し付けられた

『…カハっ』

両手を頭の上で拘束されてるので動けない
思いのほか力が強くピクリともしない

でも私と戦うつもりは無いらしい

今の私より強い
逃げることはできるが倒せない

ここで無理矢理逃げてデクくんの元に行きたいが
こいつは私を追ってくるだろう

そうするとデクくんや焦凍くんに
被害が及ぶかもしれない

それはダメだ

『離してくれない？それに
君は誰だい？』

自身の乱れた呼吸音だけが耳に響く

敵は私を数分間黙って見下ろしていたが
やっと口を開いて言った

「僕は九条蓮

ねーさんの弟

よろしくね、ねーさん」

弟？

『九条蓮？

私には弟なんか居ないはずだけど
人違いじゃない？』

私は一人っ子だ

「ねーさんが知らないのは分かってるよ

ただ、ねーさんが大好きなんだ
ねーさんを初めて見たとき一目惚れした」

そう笑顔で告白？された

会話がビミョーに成り立っていない

私は追究するのを諦めて
敵の情報について何か引き出そうと口を開けた

その時私の太ももをスルッと撫でた

『っン触らないで』

「あはァ、
ねーさんそんな声も出せるんだね

大好きだよ」

ヤバい奴に捕まってしまった

「ねーさんは行かせない

ねーさんは僕のもの」

そういい私の
胸元のボタンを千切り
鎖骨に噛み付きベロっと舐めた

『ひっ！んあっ！なにするの!!?』

自身の鎖骨を見下ろすと歯形が付いていた

「ねーさんに僕の印を付けたんだ
これでねーさんは

プルルル
その時携帯電話の着信音がした
私のかなと思ったがどうやら敵の携帯電話から
鳴ったらしい

九条蓮はポケットから出した携帯を一瞥した

「うぇっ弔くんからだ...
もう終わり？

はぁー…

ねーさん寂しいけどまた今度
僕もう行かなきゃ

今度迎えにいくよ!!!
じゃあね!!愛してるよ!!!」

九条蓮は
身軽にジャンプしてその場から消えた

去った後私はその場に崩れ落ちた

何だったんだいったい
そんなに愛してるやら大好きやら言われても...

...どうせなら焦凍くんに言われたかった