【utit】画面上と画面裏では素直さが違う、そらるさん＿番外編＿【srr】 (ページ8)

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２彼方side ページ8

Aのことを抱きしめている坂田と、その坂田に大人しく抱きしめられているA。
なんとも面白くない光景に焦っていたのが色々と馬鹿らしくなってきた。
ため息をつくと、Aの頭を撫でている坂田と目があった。
坂田は俺のことを見て、数回瞬きしたあとに、クスッとAには絶対に見せないであろう黒い微笑みを見せた。
絶対にアイツ前回のこと妬んでやってるだろ、悪かったな不器用で･･･！

『A、帰るよ』

「え、うん？分かった」

『浦田くんまたね』

「はーい」

浦田くんはチラッと俺を見たあと、ひらっと手を揺らした。
俺は坂田のことを見ると、Aの肩を抱き寄せてべっと舌を出した。

「あはは、やり返されちゃった。A、また遊ぼうな～！そらるさんも」

「うん、またね～」

『･･･ん』

一応返事をすると、苦笑が返ってきた。
Aを連れて家に帰ると、消毒としてAのことを抱きしめた。
泣かせたら奪う宣言されてる身としては、前回泣かせたせいでかなりヒヤヒヤしてるんだけど。
･･･Aが嫌がることはしないだろうけど。
抱きしめる力を強くすると、疲れたためかため息がこぼれた。
すると、Aの肩がびくっと揺れたのが分かって、Aのことを離す。

「･･･えと･･･怒ってる？」

『いや、怒ってないけど、なんで？』

「だってため息、ついてたから」

チラッと俺の様子を伺うように見てくるAは本当に可愛くて、俺は頬を緩ませた。

『･･･んー･･･なんでそう簡単にAは俺以外の男の人に体を触らせるのかなって思っただけ』

「さ、さわらせ･･･！」

頬を赤くさせるAの頭を撫でると、さっきの坂田のことを思い出した。
三角関係っていうのは本当に厄介で、奪われないように必死になる。
特に、仲がいいやつが好きになったなら最悪で、それを言わずに留めているとなるならチャンスなんていくらでもくる。
･･･そんなに気を張り詰めてたら、俺ストレスやらで壊れちゃうんだけど･･･
でもまぁ･･･

「彼方？」

それを癒すのだってAなんだし、いいかなんて思うのも現状。

『A～、俺のこと癒して』

「へ、は！？何言ってんだお前！」

可愛いのだから誰かに狙われるのなんて当たり前で、天然で鈍感なのだからそれに気付いていないのも当たり前。
守るのが大変だけど、それでも愛しいのは、君が俺を溺れさせたからだよ？
まぁ、それにも気付いていないだろうけど。