【utit】画面上と画面裏では素直さが違う、そらるさん＿番外編＿【srr】 (ページ49)

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真冬の家に行くと、ちょうど全員がゲームをしに来ていたため揃っていた。
かなり大声を出しながらゲームをするのを見て呆れてしまう。

「なんでお前らって集団行動が多いの？」

「皆が皆暇だからです」

そんな会話をしている二人をスルーして、ゲームが終わったらしい三人がゲームをしないようにとテレビの画面を消した。

『話があるんだけど、いい？』

「話？」

「話ってなんなん？」

不思議そうな表情をする四人の顔を見たあと、彼方と顔を見合わせて頷きあった。
･･･お礼を伝えたい、お世話になった人達に。

「･･･まふ。俺のバカみたいな悩みをいつも聞いてくれてありがとう。まふに聞いてもらったからこそ今の俺がいるんだと思う」

「そ･･･んなの･･･ちがいます･･･」

彼方の言葉を聞いた真冬は驚いたような顔をしたあと、口元に手を当てていた。
そんな真冬の反応に微笑んだあと、私は渉のことを見た。

『渉。なんだかんだ言いながらも私の側にいてくれてありがとう』

「･･･別に」

当たり前だとでも言いたげなトーンに笑いがこぼれた。
渉は私から顔をそらすと、下を向いた。
優が渉に話しかけたのを見たあと、チラッと彼方のことを見た。

「天月。毎回話を聞いて俺の背中を押してくれてありがとう。毎回天月に勇気をもらってる」

「そんな･･･いいこと･･･してない･･･」

泣きそうになっているからなのか、掠れた声で呟く月斗。
真冬が月斗の頭を撫でたのを微笑ましく思いながら見ていると、渉の隣に座って下を向いている優が視界に入った。

『･･･優には、お礼言っても言い切れないほど助けてもらった･･･大切なこと、たくさん気付かせてくれた･･･ありがとう』

優はボロボロと涙を流しながら私の話を聞いていた。
私が優のことを抱きしめると、優もすぐに抱きしめ返してくれた。

『･･･私、優に出会えてよかった。ありがとう。優が幸せになることを心から願ってるよ』

そう言い終わると同時に、優は私から離れると私のことをじっと見つめた。

「もう･･･幸せやよ。Aが笑顔なら･･･僕はええの･･･やから、笑ってて？」

涙で濡れた優の笑顔はなによりも綺麗で、なにか、胸のつっかえが取れたかのような表情をしていた。
彼方の方を見てみると、彼方は真冬の涙を拭っていた。
渉と月斗は私達を見て呆れたような顔をしながらも、嬉しそうに笑っていた。
泣いても、最終的には笑えるから、だから皆との日々が大好きなんだ。