【utit】画 面 上 と 画 面 裏 で は 素 直 さ が 違 う 、 そ ら る さ ん ＿ 番 外 編 ＿【srr】

お礼 ページ47

私の隣に座って、なんにも言わずにただ淡々と携帯をいじっている彼方。
横から見れば分かるが、彼方のまつげはかなり長いと思う。
かなり整っている顔をじっと見つめていると、私の視線が気になったのか、携帯をいじっていた手が止まった。
チラッと私のことを見る彼方に笑いが溢れてしまう。

「･･･なに笑ってるの」

『別に？』

不思議そうな顔をした彼方は、首を傾げて私のことを見つめた。
いつもと変わらない日常のはずなのに、なんでこんなにも･･･

『･･･彼方』

「ん？」

彼方が数回瞬きをしたのを見たあと、私は今から自分が言おうとしていることがかなり恥ずかしくなり顔をそらした。
言わなくてもいいことなのだが、なぜなのかどうしても伝えたかった。

『私のことを･･･好きになってくれて･･･ありがとう』

彼方は驚いたような顔をしたあと、頬を赤く染めると、口元を手で覆い私から顔をそらした。
新鮮な反応に面白くて笑っていると、彼方が赤い顔のまま睨んできた。
私が適当に謝ると優しくこつかれた。
彼方は落ち着くためにため息をつくと、また私に視線を戻した。

「･･･なんで急に？」

『んー･･･幸せだなって思って言ってみた』

「･･･なにそれ」

彼方は私の頭を撫でると、優しく頬笑んだ。
やっぱり、なんでなのか幸せだ。

２ 彼方side→←８

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