【utit】画 面 上 と 画 面 裏 で は 素 直 さ が 違 う 、 そ ら る さ ん ＿ 番 外 編 ＿【srr】

癒し ページ30

最近彼方が、疲れているからかのか分からないが、抱きしめたり頭を撫でたりすることが増えたような気がする。
なんというか、癒しをよく求めるようになったというか。
それを疑問に思いながら携帯をいじっていると、彼方が後ろから抱きしめてきた。

「A〜･･･」

頬をすり寄せてくる彼方の頭を撫でたあと、立ち上がると、彼方のことを前から抱きしめた。
彼方は抱きしめ返すと、安心したのか深くため息をついた。
離されたと思ったら、頭を撫でられて、彼方は満足そうに微笑んだ。

「ありがと」

また編集をしに行くのか、後ろを向いた彼方の背中を見た。
私はさっきまで彼方に撫でられた頭に触れると、首を傾げた。

『なんか･･･』

その私の呟きに反応をして、彼方は振り返り、私のことを不思議そうな顔をして見た。

『･･･なんでもない。編集頑張って』

「うん」

彼方は二階へと行ってしまった。
私は髪から手を離すと、自分の手を見てまた首を傾げた。
･･･なんか足りない、なんて。
私は自分の思いが分からず、さっきまでいじっていた携帯を手に取った。
そして、電話かけるというボタンを押したあと、携帯を耳に近づけた。

『もしもし？今からそっち行ってもいい？』

《ええよ、皆おるからおいで》

そう優しく言ってくれた優に、私は安心して笑顔を作った。

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