【utit】画 面 上 と 画 面 裏 で は 素 直 さ が 違 う 、 そ ら る さ ん ＿ 番 外 編 ＿【srr】

デート ページ27

今日は天気がよく、散歩日和の日といっても決して過言ではないだろう。
私のような純引きこもりにはあまり関係のない話だが。
ニュースを見ながら欠伸をすると、それとほとんど同時に彼方がリビングの扉を勢いよく開けた。

「A、デートしよう」

私は振り向くと、キラキラとした目をしたまるで学生のようなことを結婚してから言い出した彼方を見て、数回瞬きをした。

『ごめんなさい』

「分かった行こう」

『おい、話聞いてんのか』

私の断りをまるでなかったかのように扱う彼方にツッコんだあと、私はため息をついた。
彼方を見るのをやめて、またニュースへと視線を戻すと、彼方が隣に座ったのが分かった。

「集合場所決めよ、あと時間」

『カップルかよ』

机に置いてあった煎餅の袋を開けて、口の中に放り込んだ。
醤油の味と少し固い食感に満足していると、彼方が私の肩をトントンと叩いた。
私は渋々と彼方の方を見ると、彼方はじっと私のことを見て首を傾げた。

「どこ行きたい？」

『いやだからカップルかよ』

付き合いたての純粋なカップルかよ。
結婚も済ませてるっていうのにこういう会話をするって大丈夫なのか。
彼方の言動に不安がっていると、Aと名前を呼ばれて、イライラとしながら目の前にいる彼方のことを睨んだ。

「だめ？」

泣きそうになっているのが少し潤んだ瞳と、甘くて優しい声に、私はうっと言葉を詰まらせた。
成人男性がやっていいものじゃないけど、容姿が整っているから困る。

『･･･どうしてもって言うなら』

私がそう呟くと、彼方は嬉しそうに微笑んで準備を始めた。
大丈夫かこれ。

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