【utit】画 面 上 と 画 面 裏 で は 素 直 さ が 違 う 、 そ ら る さ ん ＿ 番 外 編 ＿【srr】

ナンパ ページ19

晩御飯の材料がなくなったため、彼方に買い物を頼まれて、久しぶりに外へと出た。
家にいたためとても眩しく感じる日差しと、たくさんの行き交う人達。
そして･･･

「お姉さん可愛いね！俺と一杯どうよ？」

変なやつ。
これはナンパというやつだということがなんとなく分かり、私は少し後ずさった。
ニコニコとして私にずっと話しかけている男は、どうしてその顔で声をかけられたのかが私には理解しがたく、首を傾げた。
私の周りに顔面偏差値が異様に高い人しかいないから、きっとこの男が女子からカッコいいと言われていてもカッコいいと思えないのだが。
どうしようかな、ぶっ飛ばすとかなしかな。
･･･うん、なしだよな。
腕を掴まれて引き寄せられそうになったが、肩を抱かれてそれは阻止された。

「A」

『彼方･･･』

彼方の頬には汗が流れていて、遅かったため探してくれたのだと分かった。
何をしていいのか分からなかったため、私はホッとしたが、今度は男が不機嫌になり始めた。

「誰だてめぇ。･･･指輪ってことはお姉さんの？」

なんとなく察したのか、納得したような顔をする男は、今度は嘲笑うかのように笑った。

「お姉さんには俺がお似合いだよ。お前みたいなブスは引っ込んでろ」

その言葉が終わると同時に、私の中でブチッと何かが切れたような音がした。
腕をまた掴まれたが、すぐに振り払った。

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