世界一愛するお前の所へ

NO.43 ページ17

「今、女を探してましてねぇ

アンタ、俺らの探す女にソックリなんでさぁ



ちょっくら笠を取って見てくれねェかい?」




「……おあいにく様だ


私はあんた達の事なんか知らないよ



笠を取る必要なんか無いだろう」



早歩きでその場を抜けようとしても今度は副長が目の前に来る。




「伊吹Aと言う

耳にしたこと無いか?」




「無いねぇ

すまないね色男さん」






早くこの場から逃げたい。



そうしないと、
思い出にすがってしまう。





そうしないと、
晋助の所に戻れなくなってしまう。






「……行くよ」




「…おう」






急いで逃げようとしたその瞬間、副長が手首を掴んできた。





「随分余所余所しいじゃねぇか


何か隠してんのか?」





「この町に来たのは初めてだから」




「どう言うことだ?

旅人か何かか?」




「そんなところだよ」




手を振り払って歩いて行った。

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