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俺とAは同期で入社した。
俺たちって見た目はまあ良いから、毎日のように異性に言い寄られて。でもあいつだけは、言い寄ってくるどころか俺に全く興味を示さなかった。
それが何か新鮮で、俺から声をかけたのが始まり。
『あんたさ、俺のこと嫌い?』
『...やだなあ、そんなわけないですよ』
『俺の前でいい子ぶる必要ないでしょ』
『.....急に何?好きでも嫌いでもないけど』
『ふは、あんたおもしろいね』
Aといると猫をかぶる必要なくいられるっていうか。多分あいつも同じだと思う。元々特定の相手をつくるのが性にあわない俺たちは、自然と "そういう関係" になってた。
「んっ、しょうた、まっ...て.....っ」
「っは、そんなにいいんだ」
「ちがっ.....ぁ、」
「こういうときくらい素直になれないわけ?」
疲れて動かなくなったAの隣でベットサイドの煙草に手を伸ばす。1本目を吸い終えたところでAはだるそうに体を起こして、散らばった下着やらを拾い始めた。
「もう帰んの?」
「あんまり遅くなると心配するから」
「ああ、あの忠犬みたいなやつ」
「忠犬って.....まあ、翔太よりは可愛いとこあるけどね」
他の男と比べられたことに大人げないと知りながらも苛立って、ブラのホックに手をかけていた後ろ姿を引き寄せた。
小さな悲鳴をあげてベッドに倒れ込んだAに覆いかぶさって穴があきそうなほど見つめてやれば、Aはきまりが悪そうに顔をそむける。
「そんなに見ないでってば。嫌なの」
「それさあ、本心が読まれそうで怖いんだろ」
「...うるさい」
「おまえ一途なやつ苦手じゃん。だから最近あいつといて息苦しいんだよな」
「っ、黙ってよ」
「事実だろ。最近また俺に抱かれてる」
ほんの少し目を潤ませながら俺を睨むA。そんなことされても全然怖くないんだけど。
顔を近づけたら拒まれたから、仕返しに太腿を掴んで唇を這わせると、Aの口からくぐもった声が漏れた。
「...おまえはもう抜け出せないよ」
それはAへの言葉か、それとも俺か。
煙草も、飲めなかった酒も俺で覚えたくせに。
何あいつの女になってんだよ。
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太腿へのキス 支配
主導権を握ってるのはいつでも俺だから。
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美紀(プロフ) - snowman大好きです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年11月12日 19時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たなべ | 作成日時:2021年9月26日 23時