9つのくちづけ【短編】 (ページ21)

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「僕ひとりで仮装してもおもしろくないよ！」

「ふたりでしちゃったら意味ないでしょ？」

「なんで！」

「しないの？とりっくおあとりーと」

「え、」

「私も仮装しちゃったら、ラウにおかしあげられない」

＂ハロウィンってそういうものじゃないの？＂

そういって不思議そうに僕を見つめる彼女。
.....なにそれ、そんなのめちゃくちゃ、

「...かわいい」

「ん？」

「Aちゃん僕におかしあげたいの？」

「うん。...え、だってそういう、」

「かわいい！」

彼女がどうしようもなく愛おしくなって、つい抱きしめた。僕より小さいAちゃんは腕のなかにすっぽりおさまって、僕の胸を軽く叩いている。

「ラウちょっと苦しい、」

「Aちゃん今おかし持ってないよね」

「うん、ないと思う」

「じゃあさ、いたずらされてもしょうがないね」

腕のなかから抜け出そうとしている彼女の喉元に噛み付くふりをすると、それにおどろいて浅く息を吸ったAちゃん。その隙に同じ場所に口づけた。

「来年もおかしもらえなかったら、僕これだけじゃ済まないかもね」

「.....ばか」

「もしかして照れてる？かわいい！」

おかしもAちゃんもほしいなんて、
僕ってちょっとわがまますぎるかな？

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喉へのキス欲求

僕だって男の子ですから。

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ハロウィンの白色くんと年上彼女さんでした🎃

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