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「実はもうひとつ、渡したいものがあるんだ」
「え、ほんと?うれしい!」
「ちょっとまってて」
ソファから立ち上がって、引き出しの中から小さな箱を取り出す。彼女の隣に座り直すと、Aは体をこちらに向けた。
「本当はレストランとかホテルみたいな、雰囲気がある場所で渡したかったんだけど.....」
「なに、こっちまで緊張してきた」
「はは、なんでだよ」
「だって、亮平くん顔強ばってるんだもん!」
そりゃあこんな顔にだってなるよ。人生で一度あるかないかの大イベントに、これから挑もうとしてるんだから。
「どうしても今日渡したかった。Aの誕生日に」
「.....ねえ、これ、って」
「この先ずっと、Aを笑わせていたい。一緒に幸せになりたいんだ」
Aの小さな手のひらに優しく口づける。
「俺の奥さんになってくれませんか」
瞳を潤ませた彼女は何度もうなずいて、俺の胸に飛び込んできた。それがかわいくて、嬉しくて。抱き締めて頭を撫でると、Aは子供みたいに泣き出してしまった。
「A、なんで泣くんだよ〜」
「うれしくて.....っありがとうりょうへいくん、」
「ん、こちらこそ」
「私.....こんなに幸せになっていいのかな、」
「いいに決まってる。俺がずっとそばにいるよ」
それに、あいつだってAの幸せを望んでいるはずだから。
彼女の涙を指で拭う。そうすればAは笑顔を浮かべて、薬指に光る指輪に優しく触れた。
その陽だまりみたいにあったかい笑顔をずっと守るよ。
だから何も心配しないで。
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手のひらへのキス 懇願
俺の想いをどうか、受け取ってください。
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美紀(プロフ) - snowman大好きです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年11月12日 19時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たなべ | 作成日時:2021年9月26日 23時