第3話 申し訳ないが ページ5
「好き、です」
ひとりでに溢れたその言葉に、彼は不思議そうな表情で、一度ゆっくりと瞬きをした。
私の告白はあまりにも唐突で脈絡が無く、赤司くんの顔にはありありと「なぜこのタイミングで？」という疑問が表れている。
ついさっきまで遠征費の話をしていたのだから当然だ。
常日頃から様々な場所とシチュエーションで告白を受けている赤司くんにとって、接点の無い相手から告白されるのは決して珍しいことではないと思う。
だが、今回のように何の脈絡も無く唐突に「好きだ」と告げられるのは流石に初めてなのだろう。
赤司くんの戸惑いを感じとった私は急に焦りを覚えた。
反応が無いので「……あの」と言うと、彼が浅く息を吐きだしたのがわかった。
「申し訳ないが、君の気持ちには答えられない」
キッパリ言い放たれた瞬間、自分の肩が情けなく震えた。
「君の事はよく知らないが、オレは何においても完璧を求める主義だ。もし誰かと付き合うなら、自分と同じレベルの相手が良いと思っている。残念ながら、それは君ではない」
淡々としていて、慣れた断り文句。
私はそれを真正面から受け止めながら、自分自身が粉々に砕けていくような気がした。
*:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:+・ﾟ・
「死んでますね……」
翌日のこと、斜め後ろの席にいる私を見てテツヤくんが呟いた。失恋という痛手を負った私は、暗く淀んだオーラを拡散しながら自分の席に突っ伏していた。
目を開けば涙が滝のように流れ出てくるので、じっと目を閉じ、屍となることに徹している。
「あんまりめそめそしていると、目が溶けて無くなりますよ？」
「……うん」
掠れた声でなんとか返事をした。
落ち込んだ様子の私を見て、テツヤくんもどうすれば良いかと悩んでいる。
「……まぁ、赤司くんの断り方も酷いですよね」
確かに、赤司くんの言葉は鋭利で、私の心を容赦なく抉り、深い傷跡を残した。
もしかしたら――なんて、浅はかな想いを一瞬でも抱いたのが馬鹿だった。
そんな風に考えては、どうしようもない悲しみが胸に込み上げる。
けれど私が感じたのは、なにも悲しみだけではない。
入学式以来、初めて赤司くんとあんなに長く向き合っていられた。思い出すだけでドキドキして、歓びで身体が震えてしまう。
(あの赤い瞳が、綺麗で……)
出来ることならもう一度、あの瞳に見つめられてみたい。
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川澄すみ(プロフ) - 美樹菜さん» ありがとうございます！よろしくお願いします(*´З`*) (2018年12月16日 17時) (
レス) id: 34662c0cc9 (このIDを非表示/違反報告)
美樹菜(プロフ) - 申請しました！！これからよろしくお願いします(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2018年12月16日 16時) (レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
川澄すみ(プロフ) - 美樹菜さん» コメントありがとうございます。御手数ですがお願いします！ (2018年12月16日 16時) (レス) id: 34662c0cc9 (このIDを非表示/違反報告)
美樹菜(プロフ) - 再度、コメント失礼します。川澄さんのコメントを見返したら、友達になりたいと書いてあったのですが、申請してもいいですか？ (2018年12月16日 13時) (レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
川澄すみ(プロフ) - りさん» ありがとうございますー！！大好きだなんて(〃艸〃)これからも頑張ります！ (2018年12月15日 10時) (レス) id: 34662c0cc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：川澄すみ | 作成日時：2018年12月12日 9時
