それは多分、今でもきっと(2) (ページ5)

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「たんたんと」ページ5

『お父さんがお義母さんを連れてきたんです。私たちと血が繋がってないお義母さんです』

『そのお義母さんには娘さんがいて、2人が私たちの家族の一員になったんです』

君の瞳がコップの縁を見つめる
泣き出したりする様子はないのに、そっと苦しそうで辛そうで。

妙に自分の胸が苦しくなっていく。

『お義母さんは私たちのことが大っ嫌いで些細な嫌がらせが酷くなっていって。最初こそお父さんは手を出したりしなかったけど気がついたら手を出すようになって』

『お兄ちゃんたちは家を出てたから私は誰にも助けを呼べる状態じゃなかったの』

「うん」

『いやまぁ、助けを呼んだところで私の言うことなんて誰も助けてくれないんだけどね』

君の瞳が揺れて雫が溢れた。

目尻から頬を伝って口に少し入っていく。

戸惑いが大きくなって、少しだけ手が宙に浮く

君の涙を拭うべきか、
君を抱きしめて安心させるべきか。

『私の状況をどこからか嗅ぎつけた祐希くんが来たの』

私を守るためだって。

『何故か私よりも泣いていて、つらそうで苦しそうで』

上手くやれてたと思ったの

『助けてなんて言わないようにして、1人で完結しようって』