それは多分、今でもきっと(2) (ページ1)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:4,420 hit

『久し』ページ1

『こんにちは…』

裏口のドアを開け、店内を覗く。
カタカタと何かを作る音と、楽しげな店長さんの声

1呼吸おいて、足を踏み入れた。

店長「おぉ、久しぶり〜、準備しておいで」

優しい笑顔で迎えてくれる店長さんと、その後ろに見える彼の姿。

更衣室で着替えて、またキッチンの方へと戻った。

「久しぶり」

『お久しぶりです』

カフェであった日から少なくとも1週間が経っていて。
お兄ちゃんの会社に行ったり、生活必需品を買い足したり色々してたらあっという間に時間が経っていた。

慌てて店長さんに今日出ることを伝えた。

いるとは思わなかった。
でも期待はしてた。

『…あとでちょっとお時間いいですか』

「あ、うん」

緊張しながらの一言は勇気がいって。
心配そうにこちらを見つめ続ける店長さんの視線を感じつつ、彼に声をかけた。

やっぱり誰一人としてくる気配のないこのカフェ。

エアコンと店長さんと彼の声と、私が記録するペンの音だけ

『いらっしゃいませ』

鈴の音が鳴ってドアが開く。

数人の団体のお客様、彼のチームメイトが入ってきた。
バレーはしてなくてもバレーはずっと見てて
なんとなく、誰がどこのチームなのかは把握できるくらい。

嬉しそうな嫌そうな、複雑な顔を見せて彼もチームメイトに声を出した。