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前日…いやついさっきまで楽しそうだった達宣さんの表情が曇る。
あの日あんだけ安心させようと私の気持ちをバカ正直に伝えたはずなのに、達宣さんにはちっとも伝わってない。
大塚「かっこええもん」
「なになにほんとに、どしたの。なんで不安になってんの、目移りせんって、。」
あと一歩踏み出せばあなたを待っている、達宣さんが尊敬している人が沢山いる日本代表選手に会えるであろうに、
私のせいで、私が居るせいで
その足が進まない。
それならと今日は違うとこ行こうかなと達宣さんのそばを離れて見れば、手をきゅっと握られた。
私よりも大きくて暖かい手。
何度されても慣れないその行動に、胸がキューっと何かで詰まる。
「あぁもう。達宣さん、私はずっと前から達宣さんしか見てないの」
何をどうしたら達宣さんに一語一句確実に、間違えることなく、達宣さんに私の気持ちがバカ正直に伝わるのだろう。
達宣さんの好きなところは山ほどあるのに、いざ言葉にしようとすると喉が詰まる。
好きって言葉で安心させたいのに、そんな簡単な言葉じゃ達宣さんに対する思いはひとつも伝わらない。
ヒューッと二人の間を抜ける風と共に聞こえてくる元気な声。
藍「達宣さんとAさんじゃないすか。何してんのこんなとこで入らんの？」
「あ、藍選手」
藍「こんにちは〜笑久々やん」
「そーですね笑」
藍「AさんLINE交換したのに1個も返信してくれんもんな」
「え、嘘、返信…」
左手でカバンの中からスマホを出して確認してみれば全部私の既読で終わってる。
達宣さんが少しだけ嬉しそうにしてるのが見えた。
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年11月23日 7時
