友達を前提とした結婚。【１】 (ページ39)

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お風呂から上がった達宣さんの爽やかな香りが鼻を掠める。

嬉しそうに笑いながら見つめられて、ふわっと笑う。

達宣さんとこうして同じ時間を過ごしているうちに、達宣さんの好きな想いがこれでもかってほどに伝わってくる。
それを信じてもいい方に天秤が傾く度に、過去のあの時の気持ちがフラッシュバックして天秤がゼロに戻る。

その繰り返し。

大塚「明日撮影？」

「んー、内緒笑」

大塚「ええやん、教えてや笑」

「やだ〜笑」

達宣さんが笑う度にふわっと心が軽くなって、何かで満たされていく。
達宣さんが私の名前を呼ぶ度に胸がキューッとなる。

あぁ、さっさと認めてしまえば楽なのに。

「進まん〜」

達宣さんが寝るタイミングを見計らって編集を終えたフリをして。
一緒のベッドに寝転がって、目を瞑って寝たフリをする。

達宣さんが寝たのを確認してからベッドから出て、また編集を再開した。