友達を前提とした結婚。【１】 (ページ32)

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「…私決めたら決めたでちゃんとする人なんで」

大塚「それは知ってんねんけど。嬉しすぎて逆に信じられへんって言うか」

「私のこと信じさせるんじゃなかったん」

大塚「いやそーやねんけど。そーやねんけど、だって、、待ってもっかいギューしてもいい？」

なんて聞きながら、私は大塚選手の腕の中にすっぽりと埋まってる。

鼻から肺に向かって大塚選手の匂いがぶわっと入ってくる。

胸がキュンキュンと高鳴って、体温が高くなる。

大塚「Aさん、俺ほんとに好き」

「ありがと、ございます」

大塚「絶対俺のこと好きって言わせるんで」

強気な態度から発せられる強気な言葉。

上から目線のその物言いに嫌な気持ちになるどころか、何故か酷く安心する。

MG「ちょっとぉ、いつまで見させる気？そろそろ飽きたんだけど」

大塚「え、ぇい、ぁ、え？Aさんの命の恩人」

MG「命の恩人は言い過ぎよ。まぁそう受けとってもらっても構わないけど」

おおらかに笑うMGに玄関で靴を履いたまま立ち尽くす大塚選手。
私の家なはずなのに、おいでと手招きする姿はもう家主のようで。

お邪魔します。

小さな声で呟いて靴を脱いで揃える。