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「祐希さん祐希さん！」
「なに」
「みて！」
「お、いけてるじゃん」
それからというもの、リハビリに打ち込んだ。
もう一度、あの瞬間を見れるように。
大学も中退して、足を治すことだけに専念する時間。
「歩けてる」
「歩けるに決まってるでしょ？庵原Aだよ？私からバレーを取り上げたらなんも残んなくなるんだから」
達宣はたまに病室に顔をのぞかせ、私を見つけた。
辛そうな表情をしたり、
申し訳なさそうな表情をしたり達宣の表情は忙しない。
私をみつけて、満面の笑みを咲かせて、駆けつける。
「そや、な」
「暗くない？」
「祐希さん来てるんやろ？」
「今日？」
「いや普通に」
「来てるよ。たまにだけどね」
達宣は暗い表情をする。
私を寂しそうな目で見つめて、また笑みを咲かせた。
ベッドの脇にある椅子に腰をかけて、荷物をドカッと横に置いた。
横たわる私をじっと見つめ、話題を出した。
「Aは、祐希さんが好き？」
「なんで？憧れてるだけ」
「ほんとに？」
「嘘言ってどうするの？私にも達宣にもなんの得があるのさ」
それはそうだけど…。
歯切れが悪くなった達宣。
「好きだよ、俺はずっと」
「なぁに、改まって」
「Aがどうなろうとも、俺はずっとずっと好きやから」
「知ってるよ」
会う度に何十回も伝えられれば、もうそう思わなければならなくなる。
嘘じゃないってことも、信じないといけなくなる。
それをわかっているのに、私はどうすることも出来ない。
達宣のそれを受け入れようとする度に、私の中の何かが邪魔をする。
「祐希さんは憧れだよ。憧れの人。私のどこをとっても、祐希さんには絶対に勝てやしないんだもん」
「勝ちたい？」
「そりゃいつかはね、勝てるからって言いたいけど。もう私の選手生命もそんなに長くないみたいだし」
「んなことないやろ？」
「あるんだよ。達宣。受け入れよーよ」
達宣は現実から目を逸らすのが得意らしい。
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ちょこ(プロフ) - SACRAさん» 嬉しい言葉、ありがとうございます！！ 更新はゆっくりですが気長に待っていただけると嬉しいです！！ (10月23日 20時) (
レス) id: a4fd68cf54 (このIDを非表示/違反報告)
SACRA(プロフ) - めっちゃ好きですこのお話 頑張ってください (10月22日 3時) (レス) @page20 id: 414e0b7211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2023年10月9日 18時
