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「祐希さーん!!おはよぉございまぁす!!」
「なんでそんなに朝から元気なんだよ」
「何が!?」
「別に、バカは元気でいいなって。ほら、悩み事もなさそう」
「ありますよ!」
「へぇ、」
「祐希さんが好きすぎるーとか、祐希さんにどうしたら本気に思ってもらえるんだろーとか」
「俺の悩みに比べたら大したことないね」
「祐希さん、なにか悩んでるんすか?」
次の日。
二日酔いとか、そんな言葉は私の辞書にはなくて。
記憶なんか私には残ってないんだけど。
いつものように、朝起きたら自分のベッドで。
リビングには私が買ったものと思われる、即席のお味噌汁とおにぎりとサラダ。
呑みすぎた次の日の定番の朝ごはん。
適当に胃に詰め込んで、練習の準備をして。
いつもの時間に家を出る。
そうすれば、祐希さんに会えるから。
街中を1人でフラフラと歩いて。
たまにはぼーっと突っ立って、街を眺めてみたりして。
体育館に向かう途中の場所で必ず祐希さんが居る。
小さな背中が段々と大きく見えて。
決まったものを手にぶら下げて。
1人で歩く後ろ姿に飛びつく。
絶対に受け止めてくれるから。
「お、Aやん。おはよぉ」
「にっしゃん!おはょぉございます!」
「あんなに昨日呑んだのに朝から元気やなぁ笑」
「私そんなに呑んだ?笑」
「ね、祐希さん。めっちゃ呑んでましたよね、A」
「…そーだな、」
ワンテンポだけ会話が遅れた。
「紗理那さん!」
「おはよ」
「おはよ!」
「友達か笑」
「へへ笑」
「ちゃんと帰れたんだね」
「帰れますよ!」
「いや、、あの状態のA1人じゃ帰れないよ笑」
「え?」
「石川くん、送り狼になんなかったんだねって思って笑」
「……?」
「…なるわけないだろ、」
また、テンポが遅れた。
「、祐希さん、」
「ん?」
「私、昨日、なんかしちゃいました?」
「…いやべつに。これは俺だけの問題だから」
「そ、ですかぁ、」
「だから気にすんな」
祐希さんはたまに嘘をつくのが下手。
今もありえないくらいに目が泳いでるもん。
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ちょこ(プロフ) - SACRAさん» 嬉しい言葉、ありがとうございます!! 更新はゆっくりですが気長に待っていただけると嬉しいです!! (10月23日 20時) (レス) id: a4fd68cf54 (このIDを非表示/違反報告)
SACRA(プロフ) - めっちゃ好きですこのお話 頑張ってください (10月22日 3時) (レス) @page20 id: 414e0b7211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作成日時:2023年10月9日 18時