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「いや!それは、ちが!」
「焦りすぎ笑、」
「憧れてるだけ」
「憧れてるだけ?ほんとに?」
「ほんとだし!」
初めての代表合宿は、真佑と一緒で。
男子も一緒だった。
ということは、必然的に祐希さんと達宣と一緒。
「Aやん!」
「うわ、見つかった」
「うわとか言わんでや、」
「はいはい、」
「塩対応すぎん?」
「いつもやろ?」
真佑が隣にいるというのに、私に全力で遊びに来る達宣。
あぁ、この行動のひとつが全て祐希さんに見られると思うとなぜか苦しくなる。
「そーゆーとこも好きやけど」
「分かったからはやく向こうに行きなよ」
「えなに、大塚選手とAってそーゆー関係?」
「は?何言ってんの?」
「俺の片想いなんすよね!」
「そーゆーこともいちいち言わなくていいから!はやく行け!ばか達宣!」
「酷すぎやん笑」
ふわりと私に向かって笑って。
頭をサラリと撫でて向こうに走っていく。
その後ろ姿は何度も見てきて、何度もその姿に苦しくなった。
シュンとした背中が小さく見えて。
私がそーゆー風にしたんだと思うと、また苦しくなる。
「Aって思わせぶりだね」
「え?」
「断りなよ。大塚くんにとって辛い思い加速させてるだけじゃない?」
「断ったよ、何回も」
それでも、好きでいることは俺の自由だって言われてしまえば
なんも言えなかった。
その緩い選択がどれほど達宣を傷つけているのか想像してしまいたくないほど。
私は自分勝手だった。
「Aはさ、」
「なぁに」
「しゅーごー!!!」
紗理那さんの声によってかき消された。
辛そうな表情を抱えたままの真佑は私には見えなくなっていった。
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ちょこ(プロフ) - SACRAさん» 嬉しい言葉、ありがとうございます!! 更新はゆっくりですが気長に待っていただけると嬉しいです!! (10月23日 20時) (レス) id: a4fd68cf54 (このIDを非表示/違反報告)
SACRA(プロフ) - めっちゃ好きですこのお話 頑張ってください (10月22日 3時) (レス) @page20 id: 414e0b7211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作成日時:2023年10月9日 18時