２０ ページ20
「存在が好きです。祐希さんの存在が」
「大雑把すぎない？笑」
「祐希さんがこんなに好きにさせたんですもん。1個1個取り上げたら何時間あっても足りませんよ」
「そんなに？笑」
私の横で笑う祐希さんは、私の知っている表情をする。
いつものあの爽やかな笑みで笑って、私を離さなくて。
「じゃぁ、そろそろ帰ろっか」
「さりなさーん！またぁあした！！」
「ほんとに大丈夫なの？笑」
「んふっ笑へーきですよ、まだまだあるけます！」
「そこじゃないんだけどなぁ笑」
「祐希さん、ちゃんとA送ってあげてくださいよ」
「送るよ笑」
「送り狼になんかにならないでくださいね」
「なんないから笑」
こんなに呑む予定なんかなかったのに。
気がついたら私のペースはいつも以上に早まってて。
日本酒を呑んだ形跡がチラホラと机の上に。
明日も練習なはずなのに何やってんだ。
「しっかりしろって。ほら、明日も練習だろ？」
「ゆーきさぁ、ん、」
「なに」
「へへっ、すきぃ」
「はいはい。わかったから」
何でこんなに呑んだんだよ。
私を支える手は暖かくて。
ほら、こーゆーところだよ。
私が祐希さんを好きになったのは。
全部全部、祐希さんが悪いんだ。
「ゆーきさん、」
「なに？ちゃんと歩いてほら」
「いつになったら、、」
「ん、？」
「好きに、」
祐希さんに支えられて、適当なことを口走って。
私の記憶にはこんなこと喋ってるなんてどうせ、
明日の朝には無くなってるから。
普段聞けないことだけ聞かせて欲しい。
「もうなってるよ、随分前に」
真剣な瞳は私を捉えたまま離さない。
歩みを止めた祐希さんに釣られるように私も歩みを止めて。
祐希さんが近づく。
「、Aが好きだよ……どーせ明日には覚えてないだろうけど」
そんなことを言いながら、祐希さんは儚く笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 383人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ(プロフ) - SACRAさん» 嬉しい言葉、ありがとうございます！！ 更新はゆっくりですが気長に待っていただけると嬉しいです！！ (10月23日 20時) (
レス) id: a4fd68cf54 (このIDを非表示/違反報告)
SACRA(プロフ) - めっちゃ好きですこのお話 頑張ってください (10月22日 3時) (レス) @page20 id: 414e0b7211 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょこ | 作成日時：2023年10月9日 18時
