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「(Aじゃん)」

「(わっ、、)」

「(久々だね〜、調子はどう?)」

「(上々っすね)」




退院は、早かった。
リハビリも最終形態で。

あとは競技レベルに戻すだけ。


その競技レベルに戻すのがどれほど大変か。
私は全く理解してなかった。

何回も何十回も、何千回も。
同じリハビリを繰り返して。
それなのに、私は怪我前の動きが一切できない。

痛む足を隠すことが出来なくて、すぐにストップがかかる。




「うわぁ、ボロボロだね」

「え、祐希さん、?なんで?」

「ん?別に。ここ俺らの次の試合場所から近かったから、」

「会いに来てくれたんですか?!」

「違うって」

「だって、ここ女子!」

「おい、俺が変態みたいになるだろ笑」

「あ、いや、違くて!!」




ヒーローかのように突然現れる。
足を放り出してぼーっとする私の目の前に立ち塞がって。
そして膝を抱えてしゃがみこむ。

私を見つめて。

ボールを手に取った。




「ほら、手出て」

「え、?」

「いいから、手」

「はい、」




私から距離を取って、立ち上がる。
ボールはまだ祐希さんの手にあって。

ある程度の距離ができたところで、祐希さんが私を目掛けてボールを打つ。




「……、」

「ほら、まだ感覚鈍ってないじゃん。いけるよ。取り返せる。足がぁ、とか嘆く暇あるんなら、リハビリ頑張れよ」

「…」

「俺は早くAがバレーしてるとこ、見たいけどね」

「……っぇ、」

「なにその変な声笑」




祐希さんはほんとに心底ずるい。

綺麗に祐希さんの元に戻ってきたボールをキャッチして。
また私の所へと近づく。
爽やかな笑みを向けたまま、私の頭を撫でる。




「ほら、俺はずっと待ってるから」




それだけ言って、体育館から出ていく。


祐希さんは、私をやる気にさせる天才みたいだ。




「え、?なんで来てんの?笑」

「居ったらあかんの?」

「んーん。別に」

「やってA、俺に伝えんとこっちに来たんやろ?伝えてや」

「ごめんだけど、練習は?オフシーズンじゃないでしょ」

「会いたかったから」

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設定タグ:龍神NIPPON , 石川祐希 , 大塚達宣   
作品ジャンル:恋愛
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ちょこ(プロフ) - SACRAさん» 嬉しい言葉、ありがとうございます!! 更新はゆっくりですが気長に待っていただけると嬉しいです!! (10月23日 20時) (レス) id: a4fd68cf54 (このIDを非表示/違反報告)
SACRA(プロフ) - めっちゃ好きですこのお話 頑張ってください (10月22日 3時) (レス) @page20 id: 414e0b7211 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこ | 作成日時:2023年10月9日 18時

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