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人のプリントを勝手に見た挙句、そんな顔をするなんてなんて人だ。
せっかく、祐希さんと一緒にいれる空間だったのに。
その空間をぶち壊した上、嫌そうな顔なんかして。
そんなことを言いそうになったけど、慌てて口を噤んだ。
「藍、それ貸して」
「これっすか？」
「A、書きな」
「え、」
「サインっすか？Aさんの貰えんすか！？」
思ったよりも藍くんがニコニコ笑顔で私からのサインを欲しがる。
祐希さんから渡されたペンと、藍くんから渡されたカバン。
私のサインが決まってからの、初めてのサイン。
なんか緊張。
「可愛い」
「え？」
「サイン」
「可愛くないでしょ別に」
私が書いたサインを見ての第一声は、可愛いだった。
私から見ても歪なのに、藍くんの目には可愛く映るらしい。
「達宣さんには見せた？」
「見せてないよ。祐希さんが最初」
「じゃあ俺2番目？」
「そーなるね、」
「余計に嬉しくなってきたっすわ」
「なんで」
「達宣さん大体1番目か2番目とるんで」
私と藍くんが話している間、祐希さんは空気と化していた。
どんだけ祐希さんのほうをチラチラと見ても、話には入ってこない。
ボーッとどこかを見つめ、たまに携帯を取り出す。
時間を確認して、直ぐに携帯をしまった。
「俺向こう行くね」
「え、もう行くんですか？」
「まぁいつもこんなもんでしょ」
「いつももうちょっと長いよ」
「藍が居るし、寂しくないでしょ」
「そーですけど」
「んじゃ、また」
祐希さんは、病室から静かに出ていった。
「俺がいるのにそんな顔せんでよ」
「藍くんと祐希さんじゃ話が違うでしょ」
「そやけど、」
目の前から居なくなった祐希さんの姿を、どうにかして探そうとしてしまう。
藍くんがそばに居るというのに、思った以上に寂しいもんだ。
「A！」
「真佑！」
「どー？調子は」
「いい感じ」
祐希さんが帰って、藍くんも帰って。
数日間1人の病室が長く続いた。
あれほど毎日顔を出していた達宣も、リーグがあるからなんて言って来れなくなって。
祐希さんも藍くんもイタリアへと旅立った。
祐希さんはまたすぐにこっちに戻ってくると信じてるけど、
藍くんは戻ってくる気配がしない。
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ちょこ(プロフ) - SACRAさん» 嬉しい言葉、ありがとうございます！！ 更新はゆっくりですが気長に待っていただけると嬉しいです！！ (10月23日 20時) (
レス) id: a4fd68cf54 (このIDを非表示/違反報告)
SACRA(プロフ) - めっちゃ好きですこのお話 頑張ってください (10月22日 3時) (レス) @page20 id: 414e0b7211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2023年10月9日 18時
