薄桜鬼トリップ本当の記憶 (ページ9)

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あの声… ページ9

貴『…夢？…』

⁇【緋華は良い子だ】

良い子？そんなのは嘘だ。
全てが偽りで、全てが敵で、この手を真っ赤に染め上げ…私がいた場所は血溜まりが出来る…。

自分が一番嫌いだ。

あの日逃げなければ、こんなことをせずには済んだであろう。

でも逃げなければ…私は死んでいた…。

一体私はどうしたら良かったんだ？

斎藤「桜宮？いるか？」

貴『いる…』

私ともあろう者が気配に気づけなかった事に驚きながらも返事を返した。

斎藤「朝餉の時刻だ。広場で食うか？」

貴『いや…俺はここで良い…お膳は出しておいた方が良いか？』

斎藤「あ…あぁ…」

斎藤さんは、そう言うとお膳を持って中に入って来た。

斎藤「あんたは酒を呑んだ後は覚えているか？」

貴『いや…覚えてないな…』

嘘だ。本当は覚えてる…流石に気づかないだろう…そう思っていた。

斎藤「それは嘘であろう？本当は覚えてるんじゃないか？」
貴『五月蝿い…言うな…』

逃さないと言うように手首を掴まれる。

斎藤「それに風間と戦っていたあんたの動きは明らかに何度も人を殺した様な動きだった。」

貴『五月蝿い‼黙れ‼貴様に何が解る‼」

思い出したくない…思い出したくないのに…何故この手はこんなに暖かい…。

貴『嫌だ‼離せよ！思い出したくない‼嫌だ‼』

土方「どうしたっ桜宮⁉」

土方さんに抱きしめられる…とたんにあの声がよみがえってくる。

⁇【緋華…】

ドクンッ

貴『うわぁぁぁああぁあ‼殺したくない‼殺したくない‼殺したくない‼殺したくない‼』

土方「⁉落ち着け‼桜宮‼オイ‼」

斎藤「桜宮‼俺の声が聞こえるか！桜宮‼」

ドタドタドタッ

沖田「Aちゃん‼…そういうことかっ。ちょっとごめんね……」

手刀を入れると桜宮の身体は崩れ落ちた。

沖田「ふぅ…」

斎藤「何をしてるのだっ！「一君こそ何してるの？」…は？」

沖田は桜宮を床に寝かせると斎藤を睨んだ。

沖田「代永ちゃんは…僕と同じだ。…いや僕よりも酷い…」

土方「…そうみてぇだな…あの怯え様は初めて見た…」

沖田「それに、土方さんが抱きしめてたでしょ？その時Aちゃんの目から光が無くなったんだよ…」

3人は桜宮をみていた…