愛してる

さよなら ページ9

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3月1日

卒業式

この道を通るのも

高校に通うのも

隣に祥彰くんがいるのも 最後



彼は早稲田大学に進学するらしい

私は、海外に留学する

祥彰くんと付き合ってたわけじゃなく
たまたま1年生の頃からクラスが一緒で、ずっと一緒に過ごしてただけだ


『もう私達も卒業だね』

「ほんとだね、早いなぁ」

私が話しかけると必ず答えてくれる
そういえば とふと気になったことを聞いてみる


『どうして、3年間私と一緒に居てくれたの？』

「何でだと思う？」


質問に質問で返されても困るのに
彼は屈託なく笑いながら私に問う


わからないよ と答えると

「ふふ、じゃあまだ内緒だね」




卒業式も無事に終わり、友達とも別れを告げる
また会おうね なんて約束をして、帰路に着く

「ねぇ、最後だからさ、一緒に帰らない？」

彼からの申し出を断る理由もないから
勿論 と返す


『ふふ、泣いたんだ』

祥彰くんの目元が薄らと赤い

「Aちゃんもでしょ？」

『まぁ泣いちゃうよね』

そんないつもよりも内容のない話をしながら帰る

【次は〜 ○○。 ○○ で御座います】

『あ、私ここだから、じゃあ またね』

「うん、またね」



また がいつかも分からないのに

次会うかなんてわからないのに

彼は私に いつもと変わらない別れを告げる




1週間後 私はアメリカに行く


誰にもこのことを告げずに


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