借りは3回。負けは23回。 ページ4
『あ、また負けた！？2人とも手加減って知ってる？』
今は23回目。
0勝0引き分け23敗である。
絶望的〜。
「負ける方が悪いんだよ。」
イルミの姿になってその声で話されると心にくるものがあるよ……。
だけど、私が悪いんじゃないんだから！
私普通だから。
2人が強すぎるだけだから。
「じゃあ今度はダウトをやろう♣︎」
『はーい……。』
だけど、嫌と言えない私って……可哀想。
「キミの仲間たち遅いけど、心配かい？」
私が遠い目をしていると、ヒソカがそう心配してくる。
『え？ああ、全然！だってあの4人だよ？心配いらないって。』
「4人？」
イルミが少し殺気を放つ。
(イルミと呼ぶ許可を頂いた！)
おう、これは疑われてるな。
『うん！ゴンとクラピカとレオリオと……トンパ。』
トンパを仲間と呼ぶ日が来るなんて……。
「ふぅん。」
このブラコンがっ！！
『イルミは弟が心配？』
「……弟がいるってAに言ったっけ？」
……おーまいが！
トンパを仲間と言ってまで隠したのに。
息苦しい。
イルミの殺気……というか念は重たくて、なんというか、ねっとりしてる。
私は恐る恐る顔を上げる。
『ヒ、ソカが言ってて、さ？』
「ヒソカがバラしたの？」
イルミはヒソカを睨む。
ヒソカが私を見てきたが、ウィンクをしておいた。
(へへ！私だったら殺されちゃうし。頼んだよ、ヒソカ！)
ヒソカは少し肩を竦めた。
OKってことだよね！
「どうせいつかバレるんだから良いじゃないか♤」
「……お前とやり合うのは面倒だし。今回は見逃してあげる。」
わぁ、ヒソカ助かったんだ。
イルミの機嫌が悪くなくて良かったね！
私はヒソカに(ごめん)と口パクで伝えた。
ヒソカはやれやれと呆れた顔をしていた。
ヒソカには3回も借りがあるな〜。
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作者名：さっかーろ | 作成日時：2023年5月3日 17時
